153回-衆-国土交通委員会-05号
2002/01/10 (1/2)
■赤松委員長
前原誠司君。
■前原委員
民主党の前原でございます。
古賀議員に続いて質問をさせていただきます。
まず、防衛庁に伺いたいんですが、先ほどから答弁を聞いていますと、不審船についてはP3Cのパイロットが目視をした、こういう話ですけれども、本当に偶然に見つけたのか、あるいは何らかの情報があって集中的にそこを警戒監視していて見つけたのか、その点の違いを簡単に御答弁ください。
■首藤政府参考人
今回のP3Cは、通常の警戒監視活動をやっている最中に目視したということでございます。
■前原委員
いろいろな報道がありますし、また、それについては玉石混交の部分があるとは思うんですが、当初から、米軍による情報があったとか、あるいは通信傍受を行う中で不審な発信源が近海に存在をするということの中でP3Cが特別に重点的に捜すようにと言われていたという報道もあります。
もう一度繰り返し聞きますけれども、全くそういうものはなく、通常の任務の中で、そういう前提条件の中で偶然見つけた、目視をした、これはそのとおりですか。
■首藤政府参考人
先ほどの繰り返しになりますが、通常の警戒監視活動の最中に見つけたということでございます。
■前原委員
だから、そういうことの中身を聞いているわけです。
前に情報があって、通常の警戒監視活動というのは、全く偶然に見つけたのかと聞いているんですよ。全く偶然なのか、ある情報があって、通常P3Cは警戒監視活動をやっているわけですから、それで見つけたのか、どちらかと聞いているわけです。
通常の警戒監視活動という木で鼻をくくったような答弁でなくて、その中身を教えてください。
■首藤政府参考人
防衛庁におきましては、常時、電波情報の収集を初めといたしまして、各種の情報収集活動をいたしております。けれども、今お尋ねの防衛庁の電波情報業務の具体的な内容に係ってまいります御質問になりますと、他国に防衛庁の情報関心でございますとか情報収集能力あるいは処理能力を明らかにすることになりますので、そして自後の効果的な情報活動の支障となるおそれがございますことからいたしまして、大変申しわけございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
■前原委員
そういうふうにある程度ニュアンスを伝えるような話をしてもらえれば、また全然質問の仕方が変わってくるわけです。
なぜかといいますと、私は、今回のことについてはいろいろな教訓があるんだろうと思っているわけです。問題点はどこかというと、つまり、捜査を始めたきっかけというのは、やはりある程度はっきりしておかなきゃいけないんですね。つまりは、今回のいわゆる捜査については、先ほど御答弁がありましたように、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利行使等に関する法律と漁業法によって適用されているわけです。
防衛庁のいろいろ情報収集の通信業務については、それはなかなか平場では言えないところがあるというのはよくわかりますけれども、つまりは、結果的にその根拠となった法律は、排他的経済水域圏における漁業に関する法律であったり漁業法であったりするわけですけれども、本当に純粋な警戒監視を行っている中で目視をしてということでは多分ないんだろうと思います。
私も何年か前に那覇の海上保安庁に伺って、YS11で、那覇それから尖閣の周りを飛行機に乗りまして視察をさせていただきました。そのときに海上保安庁の仕事は大変だなと思いましたのは、日本の国土というのは狭いですけれども、領海とか排他的経済水域を入れると世界で七番目ぐらいの広さであって、特に南西のああいう諸島における海域というのは物すごく広いんですね。台湾の密漁船なんかも頻繁にやってきて、それを海上保安庁が一生懸命追いかけて追い出しているわけですよ。そういうものも数多く見させてもらいまして、海上保安庁の業務の大変さというものをそういう視察の中で私は感じたところなのです。
一つポイントとして先ほど申し上げたのは、通常の業務の中で単に目視をしてたまたま不審船を見つけたというのは、これはやはりおかしいわけです。もちろん、なかなかそういう秘に関するところについては言えないという部分があっても、いろいろな情報がある中で、海上自衛隊がP3Cでそれを目視した。そして、後で聞きますけれども、一隻じゃなくて複数あったのではないかという話もあるわけですよね。そういうことの中で、いろいろな船の写真を撮って、そして持って帰って処理には時間がかかったというのが実際のところだろうというふうに、いろいろな方々の話を聞いて私はそう分析をしています。
そこで、もう一つ事実確認のために質問をいたしますが、不審船は一隻だったのか、あるいは複数あったのか、それはどういうふうにとらえているんですか。防衛庁、御答弁ください。
■首藤政府参考人
今回のP3Cが視認して、そして持ち帰ったデータから判断された結果、一隻であるということでございます。
■前原委員
複数あるいは二隻だったという報道もありますが、もう一隻あるというような情報を得ていたのかどうか、その点はいかがですか。
■首藤政府参考人
今申し上げましたとおり、P3Cで視認した船が今回の一隻であったということでございます。
なお、先ほど前原先生お尋ねになりました電波情報との関連で申し上げますと、先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、防衛庁の情報関心あるいは収集処理能力を明らかにすることになるということで、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
■前原委員
多分御答弁はそういうことになるんだろうと思いますし、これ以上は質問は突っ込んでやりません。
ただ、私は、今後の教訓にしなくてはいけないと申し上げたのは、今回の法的根拠が漁業に関する法律であったということが一番大きな問題点なわけです。つまりは、今回の不審船が漁船の格好をしていなかった場合、不審船だけれども漁船の格好をしていなかった場合に、追いかけることはできますか、できませんか。
■縄野政府参考人
排他的経済水域で適用されます漁業法七十四条三項の検査を忌避したということで私どもは追跡をしたわけでありますけれども、この検査は、漁業法の条項上は船舶となっております。漁業法の違反をしている疑いがあれば検査ができるというふうに考えております。
■前原委員
つまりは、漁業法違反であるかどうかというところが排他的経済水域の中での捜査の限界なわけですよ。
根本的に言えば、本来、今回のような、なかなかはっきりはもちろん言えない部分はあるかもしれませんけれども、やはり、いろいろな交信をしていた、そして不審船だと断定をした、そしてP3Cが目視をした、そして不審船が存在をするということを海上保安庁に伝達したということの中で、漁船の格好をしていて、そして今言われたような法律に基づいては取り調べができたけれども、完全に漁業活動をしているんじゃないと間違わないような船だった場合、仮にいろいろな無線交信をしていて確実に不審船で怪しいという場合についても、これは領海内でも今それを取り締まれる法律はないでしょう。無害通航に当たらないのに、それを取り締まる法律はないでしょう。
領海内と排他的経済水域内について、両方答えてください。
■縄野政府参考人
お答え申し上げます。
領海内あるいは接続水域であれば、漁業法以外の我が国の国内法令の励行という観点から、私どもが例えば停船を命じて捜査をすることは可能でございます。
ただ、排他的経済水域におきましては、沿岸国の主権が及ぶ範囲が漁業等に限られておりますので、我が国におきましては漁業法違反の疑いがある場合に立検をすることができまして、この船はこれを拒否いたしました。そこで漁業法違反の検査忌避罪という現行犯、犯人になったわけでございます。
そういう意味で、私どもとしましては、漁業法の違反がある場合には排他的経済水域においてこのような対応ができるものというふうに考えております。
■前原委員
国連海洋法条約というのがあって、無害でない通航を取り締まることというのは、その国連海洋法条約に加盟をしている国は国内法として整備できるわけです。だけれども、例えば沿岸国の防衛または安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為、これは無害通航ではないんですね。ないけれども、国内法が整備されているかというと、整備されていない。
つまりは、漁船に偽装して北朝鮮の船が、不審船がやってきたので、たまたまそれに当てはめて取り調べることができた。それはさっきおっしゃったように、排他的経済水域も一緒。しかし、仮に、例えばこのやりとりを聞いていて、漁船だから漁業法にひっかかるんだ、では普通の船でそういう活動をすれば漁業法にはひっかからない、こういう話になるんですよ、今の日本の国内法だったら。
だからこそこの今回の問題についても、私から言わせると、やられた行為は結果として正しかったし、もっと厳しく取り締まらなきゃいけないと思うけれども、かなり別件逮捕的な部分がありますよ。つまりは、情報収集をしていて漁船に偽装していたから漁業法というところで何とか法的な根拠は見出せたけれども、それ以外の船だったら法的根拠がないじゃないですか。そうじゃありませんか。
■縄野政府参考人
漁船というお言葉でございますが、漁業法違反をしている疑いのある船舶であれば、形はどうであれ漁業法違反の疑いを持たれるような船舶であれば、私どもが漁業法に基づいて立検を求めることができますし、それを忌避すれば検査忌避罪になるというふうに思います。
ただ、今のお尋ねの点につきまして、御承知のように、日本は従来から、領海内におきましても外国船舶の取り締まりにつきましては個々の行為類型に対しまして必要な取り締まりを行うための規定を個別に整備すべきだという基本的な立場をとってきておりまして、このような個別実体法、つまり漁業法でありますとか、そういうケースケースに応じて、その規制に加えまして、外交ルートを通じての対応、私どもの海上保安庁法の規定に基づく現場での指導、そういうもので組み合わせて対応してきているというのが私どもの基本的なスタンスだというふうに承知をしております。
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