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第155回国会 安全保障委員会 第7号 2002/12/05 (1/3)

■田並委員長
次に、前原誠司君。

■前原委員
民主党の前原でございます。

まず、海上保安庁長官、お越しでございますね、質問をさせていただきます。

二日の予算委員会の続きを質問させていただきたいと思うわけでありますが、昨年暮れに、奄美大島沖で北朝鮮の工作船と海上保安庁の巡視艇が銃撃戦を繰り広げまして、工作船が沈没をいたしまして、今、回収作業が終わって、そしていろいろなものが物証として挙がってきている。七百点余りだと聞いておりますが、携帯電話の通話記録について、この間の予算委員会では、海上保安庁に今任せていて、そしてまだ嘱託を受けている段階ではない、こういう話でありました。

暴力団との関係、あるいは朝鮮総連、現か元かわかりませんけれども幹部とのいわゆる通話、そういうものが取りざたをされておりますけれども、事実関係について御答弁をいただきたいと思います。

■深谷政府参考人
御説明申し上げます。

ただいま先生から、昨年十二月二十二日に沈没いたしましたいわゆる工作船からの揚収物の一部でございます携帯電話についてのお尋ねがございました。

私どもといたしましては、この携帯電話につきましては、工作船の行動目的など、全体の事案の状況を解明する上で重要な証拠物の一つだというふうに認識をしております。この携帯電話から日本の国内に電話が発信されていたということは我々つかんでおりますけれども、現在、その詳細につきましては鋭意捜査を進めているところでございます。

ということで、現時点におきましてはその詳しい中身についての御答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますが、ただ、本事件につきましては、大変国民の関心も高うございます。そういう観点から、その捜査の状況につきましては、今後それに支障のない限り、その範囲内で適宜公表はしてまいりたい、かように考えております。

■前原委員
長官、これは海上保安庁の職員に対する、殺人未遂なのかどうかわかりませんが、傷害未遂も含めて、そういう事案で捜査をされていると思います。

そして、まだ捜査の最中ですので細かな内容についてはおっしゃれないということはそのとおりだと思いますので、それについて深く追及はいたしませんが、まさに長官が今御答弁をされたように、かなり国民が関心を持っているテーマでありますし、ちゃんと立件をしてもらいたい。亡くなっておられるので被疑者が死亡ということになるのかもしれませんが、立件をしていただいて、その中身について徹底的に明らかにするんだという決意をもう一度お示しいただきたいと思います。

■深谷政府参考人
御説明申し上げます。

先生ただいま御指摘のとおり、本事件につきましては、海上保安庁にとりまして、保安庁発足以来、銃撃戦を交え、海上保安官三名が負傷するという、私どもといたしましては大変大きな事件でございました。また、先ほども申し上げましたように、本件につきましては国民的な関心も大変高うございまして、先生御指摘のとおり、当該船舶、中からの小舟等々、細かいものを入れますと七百点からに上る揚収物がございます。武器も相当の多数のものがございました。

そういった点、先ほども申し上げましたように、本件の全容を解明するため海上保安庁といたしましては、関係機関にもぜひ御協力いただきながら、全容を解明すべく鋭意最大限の努力を全庁を挙げて取り組んでまいりたい、かように思っております。

■前原委員
外交問題、安全保障問題を解決する上でも今大事な捜査をされていると思いますので、今の御決意でよろしくお願い申し上げます。もう長官、結構でございます。

さて次に、渡辺周議員の質問にちょっと関連をしてお話をしたいと思います。

北朝鮮との国交正常化交渉の中で、これは政府の関係者がたびたび御答弁されていることでありますし、私もそう思うのでありますが、待ちの姿勢でいいと思うんですね、基本的には。つまり、北朝鮮にとっては日本からの経済協力が必要であるということ、そしてまた、イラクでどういう事態が起きるかわかりませんけれども、ポスト・イラクの段階での北への、特にアメリカからの極めて厳しい対応、そういうものを考えると、やはり日朝間での協議というものは続けておいて、言いようによっては盾の役割を日本にしてもらうような部分があると思います。私は、その二つが北にとっては極めて大きな問題だろうと思っています。

ただ、その中で、待ちの姿勢でいいのでありますが、待ちの姿勢でできない点が何点かあります。それは、五人の拉致被害者の方の家族の帰国の問題であります。これについては、国民の関心もございますし、御家族の心中をおもんぱかった場合には、できるだけ早くやらなきゃいけないということであります。しかし、それによって北朝鮮に足元を見られてはいけない、こちらのいわゆる外交交渉というものを、スタンスを崩してはいけない、こう思っております。

そこで、政府内の一部に、まだ風評のたぐいではありますけれども、この五人の方々の家族を返還するために、スモールディールとして食糧援助というものを考えていいのではないか、こういう話が、あるのかないのかわかりません、しかし、私の考えをまず言わせてもらえれば、やっちゃいけない話だとそれは思っております。

この点、スモールディール、つまりは小さな取引としての食糧援助というものがあり得るのかどうなのか。もしないとすれば、ではどういう形で五人の方々の家族の返還というものを北朝鮮と交渉していくつもりなのか、その点について外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。

■川口国務大臣
まず結論から申し上げれば、そういう食糧と五人の家族の方の日本への帰国の取引ということは考えておりません。

食糧支援についての考え方というのは、人道的な観点がございますが、それに加えて、我が国の政府の方針というのは、さまざまな事情を総合的に勘案するということでございまして、今の時点で具体的に食糧の支援を検討しているという事実はございません。

その上で、委員がおっしゃる五人の方の家族の日本への帰国、これをどうやって進めていったらいいか、これは本当に難しい問題でございます。残念ながら今の時点では、これをやれば全部解決をするというようなすばらしい手ということは現在持っていないと言わざるを得ないんですけれども、やはりこれは、委員がまさにおっしゃられたように、北朝鮮としては日本と国交正常化をする必要がある、国交正常化を、それをてこにするということと、粘り強くこれはやっていかなければいけないということだと思います。

北朝鮮は、日朝平壌宣言を守って、遵守をして国交正常化の交渉をすると言っているわけでございますし、当然、我が国もそういう立場にあります。そういったことでございますので、その正常化をしていくということについての北朝鮮側の要望、これをてこに粘り強くやっていきたいと思います。

■前原委員
二点、今の御答弁でさらにお伺いをしたいんですが、食糧援助については取引とするつもりはないとおっしゃいましたけれども、その修飾語に、今の時点ではとおっしゃいました。

私は、今の時点ではということではなくて、もちろんそれは話が進んでどうなるかということはありますけれども、国交正常化交渉の段階で食糧援助をすべきではないというふうに私は思うんですね。その今の段階というのはどこまでの範囲を指すのか。つまりは、国交正常化になればいろいろな形の支援活動があっていいと思うんですけれども、国交正常化交渉の、大臣のお言葉をかりれば、てことして食糧援助というものは使うべきではないと思うんですが、その点について明確に御答弁をいただきたい。

あともう一つは、これは予算委員会でも大臣に申し上げましたけれども、形の上での平壌宣言というのはそれは遵守しなきゃいけないとおっしゃるのはわかるんですけれども、向こうがもう約束を破っている部分、核の問題もあるわけですよね。だから、そこは余り平壌宣言、平壌宣言ということになると、何か砂上の楼閣で話をしているような部分がありますので、ここは別に御答弁は結構です、私はそのことについては予算委員会で質問をしましたので、さらに答弁は結構でありますけれども、余りそれを大上段に振りかざすと、相手はもう約束を破っている部分もあるよということになるということだけ指摘をしておきたいと思います。

前者の部分だけ御答弁ください。

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