154回-衆-内閣委員会-04号
2002/04/05 (3/7)
■石原国務大臣
今、委員の御指摘されましたことは、私どものこの法律案をつくるときも同じ認識を持っておりますので、二条の中で、採算性の確保、具体的にはというと、今委員が御指摘されました将来交通量、あるいは金利が実はばかにならなくて、三・五にするのか一・五にするのか五にするのかによって全然償還計画というのは変わります。金利の動向、あるいは料金や償還期限の問題、これも試算をさせたのですけれども、三十年でいくと、現在予定されております二十兆円の残存事業、九四三二でしたっけ、計画道路の方の部分には全然できなくなる。そういうものも全部この民営化の推進委員会の方でシビアにやってもらう。そのためにやはり法律の中にわざわざ明記させていただいたのですけれども、第六条で、「関係行政機関及び日本道路公団等に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。」とわざわざ書き込ませていただいたわけでございます。
■前原委員
だって、道路公団から資料を出させたら、この資料が出てきますよ、むちゃくちゃな資料が。需要予測がむちゃくちゃな資料が出てきますよ。お答えください。
■石原国務大臣
今申しましたように、採算性の確保の事項について調査審議するということで、今言ったように、具体的なポイントとなるのは金利動向であるし需要見通しでありますから、それを、過去のデータを見れば、道路公団がこれまでやってきた需要見通しというものが何%の率で適正であるのか適正でないのか。あるいは、専門家が調査をすれば、これからつくるであろう道路の人口動向と物流の量をはかれば、道路公団でなくても、第三者機関が需要見通しというものを自分でつくるわけです。それによって、より客観性、公正性を保たせようというのがこの法律の仕組みでございます。
■前原委員
その中身については後半でやりますので、この需要予測というものを本当にしっかりしないと、金利の動向も大きな変動要因ではありますけれども、全く前提が異なってくるし、私は、今までの道路公団の予測がいかにいいかげんだったかということについては指摘をしておきたいと思います。
それからもう一つ問題なのは、建設費なんですね。九四年度の計画時の建設予定費は十一兆五千四百八十億円、これに対して九九年度時点の建設費は十六兆三千四百四十六億円。つまりは、四兆七千九百六十六億円増加しているわけです。これは、計画の四一・五%の増加であります。
つまりは、二つの方向からずるしているわけです。つまりは、需要予測でずるをする、高目に見積もっている。建設費を低目に見積もっている。二つの面でずるをして、交通量で三割ずるして、建設費で四割ずるしているわけですよ。
調査に当たった政府関係者の言葉が載っておりますが、この五年間で建設コスト自体はほとんど変わっていない、四〇%の増加は意図的としか理解できない、計画にできるだけ多くの新規路線を取り込むため、わざと少ない建設費を盛り込んだんではないか、こういうことを政府関係者が述べているということなんですね。
これは、建設費も、とにかく道路をつくることありき。下請機関と、先ほど下請機関とは申し上げられませんでしたけれども、我々は実質的にはその国の計画に従ってやる実施機関ですということをおっしゃいましたけれども、まさにこの建設費もずるをして計画が大きく狂っているわけです。この点についてもシビアに見ていかないと、全く議論の前提が崩れる。
この点についても大臣、しっかりと現実、計画を入れ込ませるために過小に見積もるんではなくて、実際はどれぐらいかかるかというところでしっかりと前提に立つということがなければいけないと思いますが、御答弁いただきたいと思います。
■石原国務大臣
詳細は藤井総裁にお尋ね願いたいと思うんですが、建設費の計上の仕方に私は問題があるような気がいたします。
すなわち、幾らかかるということを発注側に出させます。そうすると、幾らという公示で工事が始まります。しかし、そこの変動要因、景気の変動要因あるいは人件費の変動要因、資材の変動要因で、要するに、一年とか短い時間で道路というのはできませんから、かなりの期間がかかりますので、変動要因のバイアスがかかって、トータルというと、今委員御指摘されましたように、当初の見積もりより多くの工事費がかかるという例があるという話は、私は聞かせていただいたことがございます。
ですから、そういうものにそういう変動要因をしっかりと含んで、何年間で幾らになるんだというものも正式にもう一回洗い直していかないと、委員御指摘のような問題が発生するということを私は否定するものではございません。
立ったついでに、恐縮でございますが、さっき九四三二と申しましたが、九三四二の誤りでございますので、訂正させていただきます。
■前原委員
道路公団もど素人じゃないわけですから、しかも、この数年でできた組織じゃないわけですから、どのぐらい工事が長引くとかかかるとか、そんなものは今までの経験でわかっているわけです。そういうものを取り込まないということ自体がおかしい話であって、しかも、それで四割も高くなるというのは、これは首ですよ、道路公団総裁。
これは、何でこんなに建設費が四割も計画よりも高いんですか。低目に見積もっているんじゃないですか。
■藤井参考人
今、アクアラインを例にとって御指摘でございますが……(前原委員「建設費はアクアラインを例にとっていないです」と呼ぶ)失礼しました。今トータルとしておっしゃったわけですか、高速道路全体。
■前原委員
道路公団が九四年度段階で計画した高速道の建設費用の話をしています。アクアラインではありません。
■藤井参考人
取り違えて申しわけありません。
九四年時点では、その時点でのいろいろな計画がありますが、九四年といいますと、正直言いまして、今から八年前でございます。環境に対する問題等々、いろいろ新たな問題があります。それから、一番大きいのは、今、東海北陸自動車道で、例えば大きな、十一キロのトンネルを掘っておりますが、湧水で非常に四苦八苦をしております。調査の段階とは全然違ったものが出てまいります。といったような、できるだけ事前の調査をして精度を高める努力はいたすわけですが、十分な調査には至りません。そういうことのものも中に入っておりますし、それから、その他、地域住民との関係から、地域の利用計画とあわせて、高速道路を使いやすくするためのいろいろな新たな投資もあります。
というようなことで、私ども、先生御指摘のように、過小なものを出すなんという気持ちはさらさらございません。ただ、時代の要請と、せっかくつくるものでございますから、地域に喜ばれるように考えていきますとどうしてもそういう修正をせざるを得ないということから、結果として事業費がかかってくることは現実にございます。
■前原委員
幾らでも理由はつけられる、余り意地悪な言い方はしたくないんですが、そういう気が聞いていていたしました。
委員長、先ほどの要望でございますが、償還計画、国費を除いてとだけ申し上げましたけれども、需要予測というものが実際に七割しかない、しかも建設費用は四割アップだ、こういうものを含めて償還計画というものを是正したものをこの委員会の理事会に提出していただきたいということを改めて要望したいと思います。
■大畠委員長
理事会でお諮りいたします。
■前原委員
それをどのような資料を道路公団が出してくるかということを見なければ、私は新たなこの組織の議論というのはできないと思います。しかも、東京湾アクアラインで私に示したような極めていいかげんな需要予測をするのではなくて、本当に議論にたえ得るようなものを出してもらわないと、本当に道路公団そのものが、今も信用されていないのかもしれませんが、とんでもないということを私は申し上げておきたいと思いますし、その総裁は、任期が近いと言われていますけれども、本当にこれは首ものですよ、藤井さん。いや、本当に。
だって、建設予定も四割アップ、需要予測なんというのは七割しかない。そして、償還計画を立てて、堂々とこのJHの決算ファイルには、収支率は五〇%、償還計画は順調に進んでいますと、国民にうそっぱちを言っていることになるじゃないですか。そんなことを許していては絶対にいけないので、今委員長にお願いをしたように、ぜひ理事会に今申し上げたようなことを前提にした資料を出していただきたい。その資料が前提でないと私は議論ができないというふうに思っております。
さて、先ほど道路公団総裁から御答弁のあったところで改めて伺いたいと思うわけでありますが、この決算ファイルには、国費がもう入りませんので、新しい道路建設、高速道路、一般有料道路建設については借金で賄うということになっています。
平成十三年度、借金でどういうものがあるかというと、財投機関債それから政府保証外債、大まかに言ってこの二つがあるわけでありますが、財投機関債は予定が千五百億円、しかし、実際に調達できたのは六百五十億円。そして、政府保証外債千二百億円、これはゼロなんですね。しかも、平成十四年度の計画を見ると、財投機関債が四千億円、政府保証外債が七百億円。これは本当に調達できるんですか。調達した上で計画どおりの新規道路建設が本当にできるんですか。御答弁をください。
■藤井参考人
昨年末では非常に見通しが暗うございましたけれども、一月になりましてこの合理化計画が出て、直後に機関投資家に御説明会もさせていただきました。その結果、六百五十億円というのを一月二十四日に出させていただいたわけでございます。残り八百五十億円を年度内に出そうというつもりで、いろいろな市場の関係者といろいろと当たってまいりました。
その間、スプレッドといいまして、財投機関債の金利動向が、非常に高い金利で発行する機関も出てまいりました。そういうことから、私ども、規模が百億とか五十億とか少ないのじゃなくて、八百五十と非常に大きいですから、ちょっとした金利の差が後で大きな利息として払わざるを得ませんので、私どもとしては、一番有利な条件を市場関係者と御相談しておりました。その中で、社債のマーケットが非常に各民間企業が集中いたしまして厳しくなりました。そういうことから、私ども、結果として民間借入金、これは十年債でございますが、比較的財投機関債と同程度の、ほとんど変わらない程度の金利で確保する見通しが立ちましたので、財投機関債八百五十億を民間借入金に切りかえて十三年度発行いたしました。
ただ、十四年度になりましたら、マーケットにおける金利の動向が、社債マーケットの金利の動向と一般の銀行における借入金の金利の動向というのがまだ不透明でございますので、今後ともそういう関係者と連絡を密にしながら、私どもとしては、一番金利が安く、そして量的に確保できることを確保するべく、今から市場関係者とも打ち合わせを始めている最中でございます。
■前原委員
私も何人かお話を伺いましたけれども、十年の機関債では非常に心もとない、五年あるいは三年という言葉さえ出てきているという話を聞きました。それぐらい、道路公団、もちろん、先ほどスプレッドとおっしゃった。阪神高速道路公団なんかのスプレッドは大きくなっているというのを私も伺っておりますが、私は、この財投機関債四千億、政府保証外債七百億円、新たに調達するというのは、市場関係者から話を伺ってもどう見ても厳しい、そういう思いを持っています。
そこで、大臣にお答えをいただきたいわけでありますが、民営化をどのような形にするかという議論を行う組織をつくって、そして平成十四年の十二月三十一日までに一つの結論を得るということでありますけれども、結果的に、この一年間の資金の調達というものは道路公団が行うということになるわけでありますが、この四千億、七百億、四千七百億、本当に調達できると思われますか。また、その前提に立って、さっき九三四二とおっしゃいましたけれども、そういうものがこれからできるのかどうなのかというところの見通しを大臣にお答えいただきたいと思います。
■石原国務大臣
四千億円の十四年度中の起債を検討されているということは承知しております。そして、それが売れるか売れないのかというのは、金利を幾らに設定するのかといって、スプレッドを乗っけたものを出せば買う人は私はいると思いますが、財投プラスこれまでのような金利でいうならば買う人は少ないというのは間違いない事実だと思います。
ただ、一方で、総裁が御答弁されましたように、大変今貸出金利が低いわけですね。起債を起こさなくても、ダイレクトに貸してくれる民間金融機関があれば、かなり低い金利で、今の金利動向が続けば、資金をある程度調達するということは可能だと考えております。
■前原委員
この財投機関債と政府保証外債を合わせた四千七百億円というのは、私はもう正直言って無理だと思います。違う方法での借り入れということをおっしゃっておりますけれども、それにしてもかなり頼み込んでの話だということを私は伺っています。
つまりは、それを前提にした場合、本当にこの道路というものがつくり続けられるかどうなのかといったところは、私はかなり大きな疑問に思います。ことし一年ではなくて、借金で道路をつくり続ける。しかも、まずは整備計画だ、その次は一一五二〇だ、こういう話でありますけれども、今の形でいうと資金調達は完全に無理だと思うのですね。しかも、民営化をしていくということになれば、逆に金利リスクというものは上がらざるを得ない。スプレッドは大きくなって、その分乗せざるを得ないと私は思います。そうなったときに、私は資金調達自体ができないとは思いますけれども、借金返済に振り回されるということになろうかと思うのです。
つまりは、先ほど委員長に、償還計画というものについてもいろいろな要件を出してほしいということをお願いしましたけれども、私は、そこはなかなか見通しがないので、そのことについてはお願いはいたしませんが、金利というものも、日本経済の金利の動向も含めてでありますけれども、相当金利を乗せなければ資金調達は難しい。したがって、とてもじゃないけれども、これは小泉さんもおっしゃっていましたけれども、九千三百四十二キロなんて無理でしょう、私はそのように思います。
もう一度石原大臣にお尋ねいたしますが、今も私が申し上げた今後の民営化の議論、あるいは先ほどの道路公団の経営実態、そして実績交通量と推定交通量のギャップ、建設費用の落差、そういうものが出ている中で、本当に、民営化をされた後でも資金調達できて、九千三百四十二、その前提で、国費を入れるというのは別ですよ、借金で道路をつくり続けられるとお思いになるかどうか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
|