154回-衆-内閣委員会-04号
2002/04/05 (1/7)
次に、前原誠司君。
■前原委員
民主党の前原でございます。長丁場でございますが、おつき合いをいただきますよう、よろしくお願いいたします。
私は、この質問をする前提として、まず四公団の現状認識について、石原大臣を中心に議論をさせていただきたいと思います。そこのまず一つの大きなポイント、議論をしたいポイントというのは、四公団の償還計画というのは順調なのかどうなのかということであります。
まず、日本道路公団から話を進めていきたいわけでありますけれども、日本道路公団から出ている「JH決算ファイル」というものを見ておりますと、収支率、つまりは百円もうけるのに幾らお金がかかっているかという意味の数字が平成十二年度においては五〇ということで、ここにも、「ここ十年間の高速道路の収支状況をみると、借入金等の返済は順調に進んでいます。」こういうふうに書かれています。
私は、これには幾つかのからくりがあって、実際、道路公団の償還状況というものはここに書かれているものではないというふうに思っております。まず、それをいろいろな観点から明らかにしていきたいというふうに思っています。
まず、このJHもそうですし、本四、阪神、首都高、すべてでありますけれども、貸借対照表の持つ意味というのは一体何なんだということを思わざるを得ません。つまりは、固定資産というものの中に、今までお金のかかったもの、工事で積み上がっていったものを全部固定資産として計上していっているわけですね。つまりは、一遍引っぺがしたアスファルトや、あるいはだめになった、あるいは変更した掲示板等々すべて、がらくた、産業廃棄物になっているにもかかわらず、今でも固定資産として計上され続けるような貸借対照表になっている。
果たしてこれはどういう意味があるのかということでありますけれども、大臣は、今のこの道路公団の貸借対照表、これについてどういう意味があって、これをとり続けることがいいのかどうか、その点についてまず御答弁ください。
■石原国務大臣
今の部分は非常に、実に根元的な問題でございまして、特殊法人とは何なのか、いわゆるパブリックカンパニーの仕事というのは何なのかということを、決算あるいは貸借対照表の世界で言っているものが示されているものだと思います。
ですから、私どもの考えは、それですとやはり、民間企業であるならばどうかというようなところは正直言ってわかりません。というのは、減価償却費も計上されておりませんし、それは当然、パブリックカンパニーでありますから、そんなものを計上する必要は、ある意味ではないわけであります。
しかし、今初めてこれを廃止して民営化をしていこうということが議論の俎上にのってきた結果、今委員が御指摘されましたような問題をどういうふうにとらえるのかということが重要なポイントになってきていると思うわけでございます。例えば、貸借対照表の資産の部分に、減価償却や除却を行わない投資資金である資産を計上して借入金等総額を表現して、これを比較する、何というんでしょうか、償還額の累計を償還準備金として負債の部に計上しているということに、端的に私はその持つ意味があらわれているんではないか。
ですから、財務省の方で仮定のPL、BSというようなものをつくっていただきましたけれども、これもあくまで仮に民間法人であればということでございまして、必ずしもその数字も本当のところをあらわしていない。すなわち、特殊法人というものは、公益に資するというような観点から、我々の、民間企業とは違う概念で運営されてきたということを語っているのではないかと認識しております。
■前原委員
お答えがいまいちよくわからないんですが、一つは、確かにパブリックカンパニーという言い方をされました、されましたが、建前はこれは独立採算制ですよね。しかも、三公社五現業の三公社の一つであった国鉄でさえ減価償却は計上していたんです。
今おっしゃったところで二つ指摘をして御答弁をいただきたいんですが、パブリックカンパニーだから一般企業と同じような企業会計制度はとる必要はないとおっしゃいましたけれども、果たして、独立採算制、しかもこれは財投機関債で、市場に資金をゆだねる形で、市場に判断してもらってお金を調達している。それが果たして、パブリックカンパニーだというエクスキューズで、このような貸借対照表でいいのかという理由にはなっていないと思います、今の御指摘は。それが一つ。
それから、償還準備金の中に減価償却が入っているというのはそのとおりですか。私の認識は違いますよ。二つ答えてください。
■石原国務大臣
前段の質問はちょっと誤解をされているんだと思いまして、お答えいたしますが、実は、そういう考え、いわゆるパブリックカンパニーだからこれでいいんだと言っているところに問題があるということで、仮に民間企業であるならばということで、仮定計算ではありますけれども、PL、BSをつくらなきゃならないというふうに私も考えているというふうに申し述べたところでございます。
減価償却の点についてでございますけれども、これは、有料道路は要するにお金を取って営業しておりますけれども、もうけようとはしていないんですね、この企業は。営利目的じゃありません、パブリックカンパニーですから。ですから、当然法人税も納めていない。また、配当利益や課税所得を算出する、計算する必要性がありませんから減価償却費を計上していない。そういうふうに制度上なっているんですね。
ただ、私の問題意識としては、それでは実態がわからない。ですから、民間企業であったならどうであるのかということを財務省にお願いしてつくっていただいた。しかし、それも、つくっていただいたものを私も、公認会計士の方に見せて分析していただいても、それでも、民間企業と完全に対比ができないから、実態というものは、私どもが持っているセグメント情報では本当はどうなっているのかということはわからない。
ですから、きょう総裁もおいででございますので、総裁の方に十分聞いていただきたいと思います。
■前原委員
要は、もっと赤裸々に言うと、この貸借対照表というのは、道路公団のいわゆるプール制も、それから償還主義もあわせてですけれども、隠ぺいの構図そのものなんですよ。つまりは、実態を明らかにしないことに意味がある。だから国民にわかりにくいような貸借対照表を使っている。そこをどう変えていくかというところに問題意識を持っておられるというところは一緒だと思うんですけれども、しかしながら、民営化の議論が出てきたらそう変えましょうというのは、私は違うと思うんです。
つまりは、道路公団のままであったとしても、その貸借対照表がきっちりと実態の経営状況を示すものでなければいけないのにかかわらず、そうなっていないところに大きな問題があるんじゃないかということを申し上げているわけです。私は、そのポイントをぜひまずは前提として押さえないとこの民営化の議論の組み立てにならないというふうに思います。
そこで、さらにフレームワークを明らかにするために申し上げますが、税金も納めてない、もちろん資本金もない、あるいは配当もない、そういうことですから減価償却は要らないかということになれば、私はそうじゃないと思うんですね。さっき国鉄の例でも申し上げました。要は、いろいろな工作物をつくっていくわけですから、通常の維持管理費だけで永遠に、半永久的にその工作物を使い続けるのかどうかといえば、そうじゃないと思うんですね。となれば、必ずその部分については、営利目的でなくても、減価償却を組み入れた形に会計制度をしておかないと、いつか朽ちたときにかなり大きなお金をどっと使わなくてはいけない、こういうことになると思います。
そうすると、今の償還期限というものも全く意味をなさない話になるわけでして、先ほど大臣のおっしゃったところというのは、私はその部分が大きく欠落していると思いますよ。したがって、この減価償却を計上していないことのエクスキューズに、税金を納めていない、あるいは資本金も配当金も入れていない、だから減価償却しないでいいんだという議論はおかしいと思います。
■石原国務大臣
確認をさせていただきたいんですが、私がこのような減価償却を計上しない会計制度で決算を出すということを決めている担当者ではございません。現状でこのようになっていて、こういう問題があるから、仮定ではありますけれども、PL、BSというものを新たにつくっていただいたと御理解をいただきたいと思います。
■前原委員
その結果、この道路公団が出しているように、収支率が五〇、返済は順調に進んでいるということを大臣はお認めになるんですか。
■石原国務大臣
現在のところは支障を来していないと認識をしております。
■前原委員
それだったら、実態をつかむために新たにお願いをされて調査をされた結果というものが全く生きてきていないと思うんですね。
つまりは、道路公団であろうと、民営化をしようが、問題意識として持っておかなくてはいけないのは、工作物で営業をしている、事業を遂行している。工作物というのは未来永劫使えるものではない。その点についてのいわゆる取り組みというものがこの中に書かれていないというところに大きな問題があって、そこを含めて考えた場合、つまりは、もっと厳密に言うと、減価償却費と除却費を含めて考えないと本当の意味でのこの実態はわからないんじゃないですか。
それを踏まえた上で、本当に大臣ですら、大臣ですらという意味は、国土交通省に聞いたら、あるいは道路公団に聞いたらこの文言のとおりでしょう。聞いても仕方がないから聞きません。サンドバッグになれと小泉さんから言われた行革大臣ですら同じような答弁をされるんですかということを聞いているんです。それだったら民営化する意味ないでしょう。
■石原国務大臣
国交省あるいは公団側が何と御答弁されるか、ぜひ聞いていただきたいんですが、私はそれで、セグメント情報の不足から本当のところがわからないと明確に御答弁をさせていただいているところでございます。
■前原委員
質問者は私が選定しますので、大臣からは指示をされないようにしてください。
私は、この道路公団が出している決算ファイルでは、明らかな情報というのは全く出てこない、そして、やはり減価償却、除却というものを踏まえた上で明らかにするというのが本来の姿であるべきだというふうに思います。問題意識として、まずこの点、明らかにしておかなくてはなりません。
一つ確認なんですが、これは道路公団総裁にお伺いします。新たな道路建設というのは、ほぼ借金で賄われていると言ってもよろしいんですか。
■藤井参考人
お答えします。
新たな建設というのは、今現在から新たにということでしょうか、今までの中の新たにということでしょうか。それによって、十四年度から国費の投入がなくなりますので、今までの新たなものでしたら国費は入っておりますし、十四年度からは入っておりません。そういうふうにお答えしたいと思います。
それから、まことに僣越でございますが、先生の先ほど……(前原委員「借金でつくったのかどうか、その点を答えてください」と呼ぶ)そのとおりでございます。借入金でつくっております。
■前原委員
つまりは、この道路建設というのは、今道路公団総裁がお答えになったように、今までは国費も含めてでありますし、これからは国費を入れないということでは借金で賄う、それがいわゆる損益計算書に書かれているわけであります。つまりは、この新たな道路建設というのは、今までは国費プラス債券等による借金で賄ってきたし、これからも賄い続けるという前提になっていて、業務収入というものについては、今までの借金の返済、維持管理費に使うということになっているわけです。
そこで、先ほど申し上げたように、減価償却、除却の費用というものが計上されていない。その中身というものを突き詰めていった場合に、果たしてこのJHが出しているようなものになっているかということは大きな問題点として残るわけです。
総裁、お答えになりたいようですから、議論のためにどうぞ。私の理論にどういう御感想を持っておられるか、御答弁ください、減価償却、除却について。
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