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154回-衆-安全保障委員会-05号 2002/04/04 (4/4)

■前原委員
つまりは、それ以外にないということなんですね。

また同じような質問をします。

漁業法以外に、国際海洋法条約の私の知識でいえば、排他的経済水域においては、地下資源の問題とか漁業資源の問題以外はかなりオープン、フリーなはずなんですね、排他的経済水域というのは。ですから、漁業法とか、勝手に地下埋蔵物を掘削するとか、そういうこと以外、仮に工作船、不審船と認定された場合も法的根拠はつくれないはずだと思うんですよ。そういう認識でいいんですか、悪いんですか。それをまずお答えください。

■北原政府参考人

先生おっしゃいましたように、海洋法に関する国際連合条約、国際海洋法条約上は、EEZにつきましては、天然資源の探査、開発あるいは保存及び管理のための主権的権利云々ということに限られておりますので、EEZにおきましては、先生が今おっしゃったとおりでございます。

■前原委員

となると、シミュレーションですよ、シミュレーションで、一緒に日本の安全保障について考えていきたいという思いで申し上げているんですが、漁船の格好をして来たから、偽装漁船の格好をして来たから、漁業法違反で法的根拠を持って前回は取り締まることができた。しかし、漁船の格好をしていずに、例えば、アメリカからそういう情報が入った、あるいは自衛隊みずからがそういう情報を得た、そして取り締まりたいけれどもという場合は、どういう法的根拠でやるんですか。漁船のような格好をしていない場合、漁業法違反でないわけでしょう。どういう法的根拠で取り締まりを行うんですか、あるいは行えるんですか。

■中谷国務大臣

警察権とこういった国防的な話がありますけれども、警察権に基づいては海上保安庁が担当しておりますが、国内法の違反に対する取り締まりということで、先ほど御指摘のあった麻薬の取引について、経済水域というか公海上で行われた場合には、該当できる点においては海上保安庁が取り締まり可能だというふうに思っております。

防衛庁のケースにおきますと、あくまでも国防上の観点で、海上における人命もしくは財産の保護または治安維持のための特別の必要がある場合ということで事実を確認して、対処は可能ではないかというふうに思っております。

■前原委員
いや、ちょっと質問がずれていると思うんですね。

海上警備行動が発令されても、基本的には、海上警備行動というのは警察権なんですね。ですから、警察法の職務執行法の準用が適用されているわけです、基本的に。一部例外はありますけれども。ということは、海上警備行動が発令されたからすぐに国防作用だということにならないわけです。つまりは、防衛出動以外は、基本的には警察権の延長線上でしか対処ができないわけですね。

そこで、申し上げているのは、海上保安庁であれ、防衛庁であれ、漁業法違反でなかった場合に、そういうものが工作船として、情報として入った場合、取り締まれるかどうかということを聞いているわけです。

■北原政府参考人
お答え申し上げます。

いろいろのシミュレーション等を考えていかなければいけないんですが、基本といたしましては、我が国の国内法に該当する、あるいは国内法に違反するといった事態でない限り、取り締まり等は難しい。つまり、我が国に所要の国内法がない限りは、今現在、EEZで関係してまいりますのは漁業法でございまして、それ以外は現在存在しておりませんので、いろいろシミュレーションで御指摘の点につきまして、国内法違反がない限りは取り締まることはできない、そういうことでございます。

■前原委員

今お答えになったところは、私は正直なところだと思うんですね。もちろん、いろいろな可能性にひっかけて初期の段階でしっかりと取り締まっていただくということ、また毅然とした対処をしていただくということは必要だとは思います。

大臣、御答弁いただきたいんですが、例えばスパイ防止法ということもあり、例えば国連海洋法条約の中に無害通航でない通航というのが幾つかの例がありますけれども、日本の国内法令では、国連海洋法条約で無害通航じゃないから取り締まることができると言われるものについても、二つか三つぐらいその国内法令が欠如しているはずなんです。その一つが、今北原さんがおっしゃったような違法行為。それで、私が申し上げたようなスパイ防止法。つまりは、不法な情報収集活動というものを行っているということになれば、漁業法違反という何か靴の上から足をかくような法律じゃなくて、直接的に取り締まることができるわけです。

スパイ防止法については、いろいろな今まで議論の経過があったということは私も承知をしていますけれども、安全保障上あるいは治安上極めて重要であり、また国連海洋法条約でも無害通航でないというものについて法整備が可能である、あるいは法整備が期待されているものについても穴があるわけで、それについては外務省と一緒に、やはりその部分については法整備をしていくということが必要だと思うのでありますが、防衛庁長官の御見解、決意を聞かせていただきたいと思います。

■中谷国務大臣

御指摘の点につきましては、海洋法条約等を勘案いたしまして、可能な点において、我が国にとって重要な問題であるならば、整備するかしないかも含めまして、政府全体として検討すべき事項だというふうに思っております。

■前原委員

少なくとも、私が先ほど申し上げましたように、国連海洋法条約で無害通航ではないという規定があるのに、その無害通航でないものを取り締まれない、そういう国内法制が整備されていないということが幾つもあるということは、これは私は極めてゆゆしき問題だと思いますので、ぜひ、一過性の問題として扱うことなく、極めて重要な、また今日本にある危機の管理としては重要なポイントだと思いますので、御答弁されたように、ぜひ法整備を含めて御検討いただきたいと思います。

最後に、時間も迫ってまいりまして、対領空侵犯措置について少し質問させていただきたいと思います。

私の最も根本的な問題意識は二つです。一つは、八十四条には必要な措置を講ずることができると言っているのに、内規では相変わらず警職法の準用ということで、警察権の延長線上になっているということであります。これは、海と空とはかなり違う労働環境と言ったらいいのか、あるいはミッションを与えられている航空自衛隊にとっては、内規で、警職法準用で縛るということについて、私は極めて問題ではないかと思っていますが、果たしてそれでいいのかどうかという点が一つ。

もう一つは、対領空侵犯措置というのは、相手側が領域内に入ってこないといわゆる対処ができない、またそういうことをするスタートとしてできないということを私は聞いておりますが、かなりのスピードでありまして、領域内に入ってきてからしか必要な対処ができないということでは、私は十分なミッションが果たせないんではないかというふうに思います。

この二つについて問題意識を私持っておりますが、その点、改善する必要性があると思っておられるかどうか、御答弁いただきたいと思います。

■中谷国務大臣
その点の御指摘につきましても、私も同じ認識を有しております。

航空機の運航等につきましては、一秒間に数百メートル移動するわけでありまして、瞬時瞬時の対応というものは隊員の生命や我が国の国民の人命等にも大きく影響するわけでありまして、その瞬時に、的確にパイロット等が判断し得るように今後検討してまいらなければならないというふうに思っております。

■前原委員

これで終わりますが、一言だけ、簡単に大臣、御答弁ください。

先ほど私が一番初めに申し上げた、武装工作員等が我が国に侵入する事態に自衛隊が対処する場合の警職法を超える武器使用について、大臣御答弁になりました。その一番最後のところで、つまりは、武力行使に当たらない範囲で武器を使用することは、憲法第九条との関係で問題を生じるものではないと。にもかかわらず、内規で、警職法準用で縛るということは、全く私はおかしいと思うんですね。

ですから、このことも踏まえて、今のことをしっかりやっていただきたいというふうに思います。御答弁されたので、要望して、私の質問を終わります。

■北原政府参考人
済みません、一点。

先ほど前原先生、対領空侵犯措置につきまして、私どもの内訓といいますか、これがいわゆる警職法を準用しているという言い方をされたかと思うのでありますが、これは私ども準用をしているわけではございません。

先生御指摘の隊法の八十四条、これは先生御指摘のように、必要な措置として武器を使用できるというように考えておりますが、その場合の判断基準と考えているものでございます。あくまでも判断基準として考えているものでございまして、すなわち言いかえれば、警職法七条のいわゆる正当防衛、緊急避難というのは、これによっていわば違法性阻却要件的な定めになっているわけでございますけれども、私どもといたしましては、準用ではなくて、こうした正当防衛あるいは緊急避難の場合につきましては、いわゆる法令に基づく正当な行為としてこれが実施できるんだということで、考え方としてこれを援用しているといいますか、そういうふうに考えております。

だから、準用で違法性が阻却されるんだという考え方はとっておりません。正当な行為として行えるんだという一つの判断基準として考えております。以上です。