プロフィール記事・論文活動写真館国政報告会行事のお知らせ議事録リンク開票結果直球勝負!質問主意書

154回-衆-安全保障委員会-05号 2002/04/04 (3/4)

■前原委員
今御答弁いただいた中で、少し細かい確認をさせていただきたいんですが、最後に長官が言われたところで、武装工作員等が我が国に侵入するといった事態が外部からの武力攻撃に該当するとは判断し得ない場合に、三、四で述べた警職法を超える武器使用を含めて、自衛隊が武力の行使に当たらない範囲で武器を使用することは憲法九条の関係で問題を生じるものではなく、法律により可能である、こういう御答弁でありました。

ここで、じゃ実際これを部隊におろしていく場合に、実際に職務に当たる人たちにとって一番気になる点というのは、武力行使というものはどういうレベルで、武器使用というのはどこまで可能なのか。つまりは、武器使用と武力行使の境目というものはどこまで認められるのかというところが、現場の方々にとってはかなり重大な問題になると思うんですが、そこについて御答弁をいただきたいと思います。違いについて。

■中谷国務大臣

私見でございますけれども、武力の行使というのは、国家の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいいます。また、武器使用というのは、武器を本来その用法に従って用いることでありまして、この武力行使というのは、国家防衛のために国家のもとに行う行為でありますが、信号でいえば、赤、青、黄色ということで、赤の段階だと思いますけれども、平常状態は警察権の行使ということで青の場合でありますが、黄色の場合にやはりいきなり赤になるというのは、対応する側にとっても、国民を守るという観点からも非常に無理のあるような事態であって、やはりその移行段階において武器の使用という観点で、いわゆる自然権的権利として、国家作用としても、こういった段階的な移行の場合の武器使用ということは必要ではないかというふうに私は思っております。

■前原委員
済みません、ちょっとよくわからなかったんですが。

私の解釈を申し上げて、大臣でもあるいは官房長でも運用局長でもどなたでも結構です、御答弁いただければと思いますが、つまりは、武力の行使というのは、自衛権発動という後が武力の行使であって、自衛権が発動される、つまりは防衛出動が下令するまでの間は必要な措置を講ずるということは武器使用に当たる、こういう判断で私はいいのではないかと思うんですが、いかがですか。

■中谷国務大臣
おっしゃるとおり、自衛隊が行う武力の行使というのは自衛権の行使ということでございますが、これに至る前の段階の武器使用というのは、治安出動、警護出動、海警行動時などにおいて、自衛隊法で言う、準用する警職法七条に基づく行為、また在外邦人の輸送やPKO、テロ対策特措法に基づく活動時などにおいて、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものとして行っておりまして、いずれも自衛権行使としての武力の行使に当たるものではなく、また、憲法第九条で禁止されている武力の行使に当たるものではないという範囲での武器使用であるというふうに考えております。

■前原委員
いずれにしても、もちろん法律にのっとってということでありますけれども、自衛権が発動される前の必要な措置を行うことは武器使用に当たるということで、その部隊に対して、そしてそれをコントロールするROEを含めて、しっかりとした体制をとっていただきたいというふうに思います。

さて、次に質問させていただくのは、昨年の暮れの、奄美大島沖の武装工作船の話にかかわるわけでありますが、いろいろなシミュレーションをやはり考えていかなくてはいけないと思います。例えば、日本の法律の網をかいくぐってくる可能性があるわけです。

例えば、武装した可能性がある工作船が、我々は政府の公船である、公の船ですね、公船であるという主張をした場合に、これは、軍艦とか公船というのは警察権が及ばないと私は理解しておりますけれども、どのように対処することができるのですか。
〔委員長退席、末松委員長代理着席〕

■北原政府参考人
御答弁申し上げます。

今御指摘の点にかんがみまして、まず、自衛隊が行動する場合でございますけれども、海上警備行動が発令されて私ども自衛隊が、我が国の領海にあります武装の可能性のある不審船に対しましてとり得る措置でございますけれども、これはまず基本的には海上保安庁と、警察作用の一環でございますので、変わりはございません。

それから、先生が今御質問されたケースにつきまして申し上げたいと思うのですが、まず先生御指摘のとおり、国際法上、我が国の領海にあります外国軍艦あるいは外国政府所属の非商業的目的のための船舶は、先生がおっしゃるとおり、我が国の管轄権は及びません。これらの船舶が我が国の領海を通航するに際しまして、我が国の法令を仮に遵守しない場合、あるいは遵守要求に従わない場合でございましても、我が国といたしましては領海外への退去を求め得るだけである、そのように解釈はしているところでございます。

ただし、先生おっしゃいました、武装の可能性がある不審船が、自分たちは政府の公船だと主張したといたしましても、例えばその外観ですとか、あるいは行動の特徴などから、今申し上げましたような免除を享有すべき正当な、外国政府所属の非商業的目的のための船舶とは明らかに認められない場合ですとか、あるいは、当該不審船が外国の公船か否かにつきまして、当該国に私ども日本政府として問い合わせても、その確認ができなかったといったような場合につきましては、停船を求めて立入検査を行うことですとか、あるいはこれに従わない場合に、武器の使用を含めて必要な措置を行うことは可能である、そのように考えております。

■前原委員
今の御答弁で一つ気になったのは、公船と主張した場合、相手国に確認をする、こういう話でありましたけれども、例えばの話ですけれども、北朝鮮に確認をした場合、北朝鮮船籍の公船であると主張して北朝鮮に確認をした場合、ナシのつぶてだった。そして、ナシのつぶてで対処した場合に、後で、北朝鮮の公船に何ということをするんだ、こういう話もあり得なくはないですね、可能性としては。そういった場合とかを考えると、今の法令として十分なのかどうか、これが一つの質問したいポイントです。

もう一つは、国際法上はそれ以上、法令をつくりたくても無理なのかどうなのか、その点について御答弁いただけますか。

■北原政府参考人
私どもといたしましては、現在の法令のもとで、でき得る限りの努力をしていかなければいけない、また、そのためにも常日ごろからの、政府全体といたしましての情報収集等の努力、横の連携等に努力していかなければならない、そのように考えております。

■前原委員

質問でありますし、防衛庁長官にお答えをいただきたいと思うのです。

事工作船の問題になったときには、対外的にもかなり、後で問題になってくる。つまりは、公船と主張して、例えば北朝鮮に確認をして、北朝鮮がナシのつぶて、そして日本が対処したときには、日本は国際法違反を行うということを言ってくる可能性はあるわけですね。そういう場合にも、国際法上はもう全く無理なのか、あるいは国際法上、日本の法律が不整備なだけで、法律を整備すれば対処できるのか、その点について私は質問しているわけです。

ですから、その是非を含めて、できるのかできないのか、無理なのか無理でないのか、その点、もし防衛庁長官、あるいは運用局長、官房長、どちらでも結構ですけれども、その事実確認をちょっとしたいだけなのです。

■中谷国務大臣
不審船という言葉がありますけれども、これは不審な場合の船でありまして、この場合にはやはり事実確認というものが必要であるというふうに思います。

情報収集や事実確認をして、明らかに第三国の、我が国を侵略する目的を持って入ってくる船舶等につきましては、その事実を確認し、しかるべき対処が可能であるというふうに思っておりますが、海上警備行動の発令の要件に、海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持のため特別な必要があるという場合にはこれの発令をいたしまして、この法律に定められた様式での対処が可能でありますので、よくこの事実を確認するという行為が非常に大事ではないかというふうに思っております。
〔末松委員長代理退席、委員長着席〕

■柳澤政府参考人

まず先ほどの、外国公船を主張している相手には国際法上、手が出せないのか、あるいは国内法を直せば何らかの対応ができるのかという点について申し上げれば、国際法上、先ほど運用局長から申し上げました、主権国の管轄に属さない、免除を享有すべき軍艦や外国の公船というのは、やはりこれに対しては我が国の主権に基づく各種の統制はできないということで、これは、退去を命じるという以上のことは国際法上、不可能であろうと思います。

ただ、それが、外国公船を主張しながらもあえて不法行為をしてくる、あるいは今大臣から申し上げましたような、現実に我が国の国民の生命財産に、あるいは秩序に危害を及ぼすような、そういう行動をとっている場合に、これは、国際条約に基づく政府公船としての免除を享有するかどうかとはまた別の問題としての対応がおのずから出てくると思いますし、そこは状況によりまして、あるいは武力攻撃というような認定をすべきケースであるのか、あるいは治安事態として対応すべきケースであるのか、そこは状況によりさまざまであると思いますが、第一義的に申し上げれば、外国政府公船が外国政府公船として、その免除を享有すべきような形態でいる限りは、国際法的にもまた国内法的にも、それ以上の措置はとれないというふうに考えるべきであると思います。

■前原委員

いろいろな状況を想定して、漏れのないような対応をとっていただきたいという意味で今の質問をいたしました。

したがいまして、相手国がどういうスタンスで来ても、いろいろなシミュレーションをした上で、日本の安全保障、治安上問題のないような対応というものをしっかりととっていただきたいということを改めて要望しておきたいと思います。

関連して、今度は排他的経済水域においてでありますが、先般の奄美大島沖の不審船事案、工作船事案というのは、漁業法違反ということが主な認定のよりどころであったわけでありますが、漁業法違反の認定が難しい場合、こういった場合はどのような法的根拠で取り締まりをするんですか。その点についてお答えをいただきたいと思います。

■中谷国務大臣

この場合も、いろいろな状況がございますけれども、海上警備行動は、海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持のため特別の必要がある場合には、自衛隊の部隊に対して命ぜられるものでありまして、海上警備行動が行われる地理的範囲は、我が国領海のみならず、我が国の排他的経済水域あるいは公海にも及び得るものであります。

このため、海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持のための特別の必要があるとの要件に該当する場合、例えば我が国の船舶がEEZにおいて武装した不審船から攻撃を受け、人命が危険にさらされており、海上保安庁ではかかる侵害を排除し得ないような場合には、海上警備行動を発令してかかる事態に対処することはあり得るものだというふうに考えております。

■前原委員
人命に危害が及ぶという場合においてはおっしゃるような、対処することは可能だと思うんですが、しかし、そうでない場合、例えば覚せい剤を運んでいるとか工作活動を行っているとかいう場合においては、どういう法的根拠で取り締まりができるんですか、漁業法違反でなければ。

■中谷国務大臣

これの取り締まり等につきましてでございますけれども、自衛隊が可能なケースとしては、人命に加えて財産の保護または治安の維持のため特別の必要がある場合等がございます。

■前原委員

財産の保護は別にして、治安の維持のため必要がある場合というのはどういう法律なんですか。また、排他的経済水域においてはそれは可能なんですか、できるんですか。

■北原政府参考人
まず自衛隊の行動でございますけれども、先生御承知のように、例えば、排他的経済水域内で取り締まり等は第一義的には海保が行います。海保が根拠とする関係法令に基づきまして海保が行動いたしまして、それが海保だけでは対応できないといった事態が生起いたしました場合に、先ほど大臣が御答弁申し上げました海上警備行動で自衛隊はこれに対しまして必要な行動に当たる、そういった枠組みになっているところでございます。

■前原委員

いや、取り締まる根拠法令は漁業法違反でなければ何があるんだ、そういう質問をしているわけです。

■北原政府参考人
先生が今ここでいろいろ御指摘、問題提起をされているようなものにつきましては、現在は漁業法でございます。