154回-衆-外務委員会-12号
2002/04/24 (1/1)
■中川(正)委員長代理
次に、前原誠司君。
■前原委員
民主党の前原でございます。
まず、拉致問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
八尾恵さんというよど号ハイジャック犯の元妻の方が、情報提供ということで有本恵子さんの話をされることになりました。その事実に基づいて、警察庁が対策本部をつくって、拉致事件と新たに認定をして調査を行う、これが現状でございます。
私は、いろいろな可能性というものを考えて、少し議論をさせていただきたいと思います。したがって、いろいろなシミュレーションといいますか、可能性の話でございますので、断定した答えはできないと思いますが、その可能性の中での議論をさせていただきたいと思います。
実は、私の方に、この八尾恵さんの背景をもう少し調べた方がいいんではないか、こういう話がございました。といいますのは、ひょっとすれば、純粋にみずからの行ったことに対して良心の呵責というものに耐えかねて、そして事実をお話になっているかもしれないということでありますが、そうでない可能性もあるんではないか。つまりは、北朝鮮と何らかの関係がいまだにあり、そして、情報、連絡をとりながら動いておられる可能性も否定できないんではないか、こういう話もございます。
例えば、その話に付言して申し上げると、有本恵子さんという方が近々表に出られる可能性もある、しかしながら、北朝鮮に拉致をされてもうかなり時間がたち、日本人妻の帰国のときにもあらわれたように、洗脳という言葉が正しいかどうかわかりませんが、もう北の考え方に感化をされて、御自身は拉致をされたんではない、また、拉致問題というものは存在をしていないということを、いわゆる北朝鮮の政府を代弁する形でおっしゃる可能性もなきにしもあらずだ、こういう情報提供もございました。あくまでも、何度も申し上げておりますが、可能性の話でございます。
そこで、公安調査庁に伺いたいんですが、八尾恵さんの背景、つまりは、実際問題、今御本人が吐露されているような状況が正しいのか、あるいは今私が仮説として申し上げたことについての可能性はあるのか、あるいはその他の可能性もあるのかについて、公安調査庁として今どのような情報をお持ちか、御答弁をいただきたいと思います。
■栃木政府参考人
いわゆる日本人拉致容疑事案につきましては、当庁としても大変関心を持って、さまざまな角度から情報の収集に当たっているところでございますが、現在も調査を遂行中でございますので、御指摘のような具体的な事実に関しましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
■前原委員
具体的な事項については答弁を差し控えるということでありますが、可能性が全くないと断言されるんですか、それとも、あるかもしれないとおっしゃるんですか。その点については触れてもらわないと、何のために来ていただいたのかわかりませんので、そこははっきりしてください。
■栃木政府参考人
ですから、今現在調査しているところでございますので、さまざまなことが考えられると思います。
■前原委員
さまざまなことが考えられるということでありますが、八尾恵さんには娘さんがおられますね、北におられると。どういう状況で北におられるかということは、公安調査庁は把握されているんですか。
■栃木政府参考人
具体的、個別的なことでございますので、その点につきましても答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
■前原委員
娘さんがおられるわけです。まだ北朝鮮におられて、悪く言えば、身内がまだ北朝鮮にいるということは、私が先ほど申し上げた可能性というものは否定できないというふうに思います。
さて、この二十九、三十に日朝赤十字会談が行われるということでございますけれども、この有本恵子さんの問題あるいは拉致全般の問題を含めて、この問題が一つの大きな主要テーマになると思いますが、川口大臣にお尋ねをいたしますけれども、この会談の見通しについて、また、日本国政府としてどのような問題提起というものをされるのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
■川口国務大臣
今月の二十九、三十と北京で日朝赤十字会談が開催をされるということでございまして、その会談では、行方不明者の安否調査、日本人配偶者の故郷訪問、その他日朝両国が互いに関心を持っている人道問題について議論をするということになると承知をしております。
今、日朝の間には拉致問題という非常に重要な問題があるわけでして、我が国政府としては、今までもこの問題については北朝鮮に対しまして、国民の生命にかかわる重大な問題である、この問題を避けて通ることはできないということを繰り返しはっきり言ってきているわけでございまして、解決を求めているわけでございます。そういった中で、この会談がこの分野での非常に貴重な、重要な一歩となるということを私としては期待しているわけでございます。
今さまざまな動きがございまして、まさにこの動きというのもその一つでございますし、それから、国際的に見れば、南北間の話し合いあるいは米朝会談に向けての動きがまたいろいろあるわけでございまして、北朝鮮による行方不明者の安否調査の再開ですとかこの会談、あるいは、うまくいきませんでしたけれども、坂口厚生大臣の会談のお話等ございまして、こういったことを考えますと、日朝の関係が新しい局面に入ってきているということを認識しております。
この新しい局面に入ってきているということをきちんと踏まえまして、適切に、そして慎重に対応をしていくことが政府としては必要なことだと考えております。
■前原委員
少し技術的なことを二点だけ申し上げて、簡単に御答弁いただきたいんですが、拉致問題と行方不明者問題と言葉が違うんですけれども、外務省としては拉致問題としてしっかりと北朝鮮に物をおっしゃっているのかということが一つと、新しい局面ということをおっしゃったのは、それは、南北の話あるいは米朝交渉の話もされましたけれども、具体的に日朝間で新たな動きというものを感じ取っておられるのか、あるいはその可能性について見通しを持っておられるのか、その二点、簡単に御答弁ください。
■川口国務大臣
二つございましたけれども、まず拉致問題、拉致か行方不明かということでございますが、北朝鮮側は、御案内のように、これは行方不明者という形で言っているわけでございますが、政府といたしましては、この問題につきましては、きちんと、北朝鮮により拉致された疑いのある事案であるということを従来から言っているわけでございます。
それから、二番目の、新しい局面であるという認識でございますけれども、先ほど申し上げたようなこと、杉嶋元日経記者の解放といったような一連の動きをとらえて、今新しい局面に入ってきているという認識を持っているということでございます。
■前原委員
その日経の記者の方の話は私もよく伺うんですが、向こうももう面倒になったという話も伝わってこないわけではありません。何をもって新しい局面と言うかということはかなり慎重に見きわめた方がいいし、有史以来、二千万人を超える国で、あのような情報統制なり専制体制がとれている国というのはなかなか珍しい体制だと私は思うんですね。歴史上も非常に珍しい体制。ですから、この国との外交交渉をやるのは相当な覚悟としたたかさを持ってやっていただかなくてはいけない話だというふうに思います。
そこで、ぜひきょうはここの点だけは確認したいと思ったんですが、先ほど私が仮定の話で申し上げました、有本恵子さんが出てこられるかもしれないと。そのときに、自分は拉致されたんではない、また、北朝鮮には拉致問題は存在しないと思う、こういうことをおっしゃる可能性は全く排除できないわけでありますが、さっき大臣がおっしゃったように、拉致事件というのは有本恵子さんの話だけではないんですね。他の問題もあります。横田めぐみさん初め、政府が認定をしているだけでも、有本恵子さんを入れて十一名ですから、他の方は十名あるわけですし、また、そのほかの、北朝鮮によって拉致されたのではないかという疑いを持たれているものもあります。
したがって、日朝間の懸案事項の大前提の拉致問題というのは、決してこの有本恵子さんの問題だけではないと思いますし、政府が認めているだけでも、少なくとも、この人たちの安否の確認、そして日本への帰国というものを大前提として、外務省としてしっかりと取り組んでいただけるということを外務大臣から御答弁いただきたいと思います。
■川口国務大臣
先ほど申し上げたような動きを踏まえまして、適切に、そして慎重に取り組んでいきたいと考えております。
■前原委員
要は、拉致問題というのは、政府が認定された、先ほど有本さんを除いて十名ということを申し上げましたけれども、その
問題解決なくして日朝間の正常化交渉の進展はあり得ない、そういう認識でよろしいんですね。
■川口国務大臣
政府の基本的な方針でございますけれども、これは、日朝国交正常化交渉の進展について粘り強く取り組み、こうした努力を通じまして、拉致問題を初めとする人道上の問題あるいは安全保障上の問題の解決に向けて取り組んでいく、解決を目指していくということでございます。
■前原委員
先ほどの日経の記者の方の帰国ということが新たな状況だとおっしゃいましたけれども、私は全くそれは思っておりません。そしてまた、どのような状況の変化というものが向こうを利する形でやってくるかわかりません。したがって、大原則だけは持って交渉していただきたい。つまりは、一つの新たな変化で何か前進したような錯覚だけは持っていただきたくない、私はそのことをしっかりと大臣にお伝えをしたいと思います。そのことについては御答弁は結構です。
村田副大臣が来ておられますので、朝銀の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
安全保障委員会で、副大臣には何度も来ていただいて御質問しておりますが、同じ目的で向き合っているんだということは御理解をいただけていると思います。金融庁の方にも、私の得ている情報についてはすべてお伝えをしております。そして、定款に基づいた厳正な対処をお願いしたいということであります。また、昨日の財務金融委員会で、同僚の五十嵐委員からも村田副大臣に対して質問がございました。
したがいまして、改めての確認になるわけでございますが、私どもの得ている情報では、四信組の理事長、常務理事の面々については、総連の元幹部であるという情報があり、そして定款違反であるということを私どもは確信をしています。
したがって、その理事長を変更してもらうということが四信組のスタートの前提になるというふうに考えておりますが、漏れ伝わってくるところによりますと、一部の理事長の交代というものでお茶を濁そうと金融庁はしているんではないか。つまりは、向こうの顔を立てるためにどこかの信組の理事長を交代させて、それで金融庁もかえさせた、向こうも首を差し出したということでお茶を濁そうとしているのではないかという懸念を私は持っているわけでありますが、すべての役員、理事長、常務理事の背景を調べて、すべて残らず、しっかりとした定款違反にならない人事が行われるということを、ここでもう一度確約をしていただきたいと思います。
■村田副大臣
前原委員には、本件をめぐりまして大変貴重な御指摘をたびたびちょうだいいたしまして、感謝をいたしたいと思っております。
今、御指摘の件につきましては、委員会におきます、これは安全保障委員会の方だったと思いますが、そちらの方での御指摘も受けまして、まず、私どもは銀行法二十四条に基づきます報告を徴しまして、そういう意味では我々の監督体制のより万全を期すという行動をとらせていただいたということでございますし、それから、いろいろな委員会での、今前原委員もおっしゃいましたような新設の受け皿信組の役員の人事をめぐりまして、情報提供もありますし、また役所の中でのいろいろな意見交換も踏まえまして、私どもとしては、当該信組の役員の皆さん方と、まずは国会での厳しい御指摘の状況について御説明を申し上げまして、定款違反の事実がないことを確認しつつ、今いろいろな相談をしているというところでございます。
もとより、私どもとしては、定款違反の事実がない、そういうことを期待するところでございますので、引き続き、私どもとしては相手側との調整を進めていきたい、こういうふうに考えております。
■前原委員
簡潔にお答えいただきたいんですが、私は、足して二で割るような話には落ちつけてほしくない、そうであれば、徹底的にまたいろいろな場面で追及をしていきたいと思います。つまりは、すべての役員について洗いざらいその背景を調べていただけるか、一部の役員の交代ということでお茶を濁してもらっても困るということを言っているわけです。その確認をもう一度してください。
それから、前々回ですかね、安保委員会でも質問をいたしましたけれども、また、村田副大臣からはそのときは前向きの御答弁をいただきましたが、今経営中の三信組がありますね、中部とか西とか。これについての定款を早くこの四信組並みに変えてもらわないと、同じ形になってしまう。これについては前向きの御答弁をいただきましたけれども、具体的にいつまでにそういうことをするのか、先ほどの御答弁とあわせて、二つ御質問いたします。
■村田副大臣
もちろん、役員の人事でございますので、私ども、すべての役員について、定款に定めていただいているようなことが守られているかどうかについて、すべて洗い直して検討させるということはそのとおりでございますので、努力をいたしたいというふうに思っております。
二つ目の、既存のといいますか、三つの信組につきましては、これは新設でないものですから、新しい受け皿信組のケースと違いまして、お願いをするというか、新しい信組と同様のことを貫徹するというのはなかなか難しいところがございますけれども、私どもとしては、できるだけそういう今先生がおっしゃるようなこと、つまり、総連等の機関からの独立性、これが信組の経営の健全性を確保するために必要なことであるという観点から、なお努力を続けているということをお答え申し上げたいと思います。
■前原委員
時間が来ましたので終わりますが、今お答えになった二番目の問題については、少し内部で検討してください。つまりは、しっかりとした、三信組についても総連からの独立というものが目に見える形でやるかということは、ぜひ内部で、ある時期までにそういうものを目指すということを決めていただかないと、ずるずる時間が経過してしまうと思いますし、その間、また同じように金庫がわりに使われるという事態が発覚したときは、これは金融庁の大汚点ですよ。国民からの非難は免れないと思いますので、またそれについては御質問いたしますが、ぜひそういう内部での取り組みを加速させていただくことをお願いして、質問を終わります。
≪PDFファイル(15Kb)
|