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154回-衆-内閣委員会-08号 2002/04/19 (1/2)

次に、前原誠司君。

■前原委員
民主党の前原でございます。

時間がそれほどありませんので、簡単にポイントを絞って、主に総理にお伺いをしたいと思います。

この特殊法人等整理合理化計画の中に、道路公団あるいは首都高、阪神、本四に関する方針が書かれております。例えば、「国費は、平成十四年度以降、投入しない。」「事業コストは、規格の見直し、競争の導入などにより引下げを図る。」そして、次がこの文章で浮いているところなんですが、「現行料金を前提とする償還期間は、五十年を上限としてコスト引下げ効果などを反映させ、その短縮を目指す。」と。私、石原大臣とは、この点、かなり議論させていただきましたけれども、議論がかみ合わなかった。やはり、最終的には、責任者である総理とこの点について議論をさせていただきたいと思います。

なぜ償還主義ということを前提として民営化を議論させるのか。償還主義というのはどういうことかというと、これは釈迦に説法かもしれませんが、決められた期限までに借入金を返済するように料金水準を定める原則をいう。これをやるとどういう弊害が出てくるかというと、一つには、例えば、高速道路の新設、改築のための建設費、修繕、災害復旧、維持管理費、あるいは借入金の返済等々、すべてひっくるめて例えば五十年ということに決めるんであれば、それで料金体系決めるわけですよ。これは、かなり他の国よりは日本の高速料金が高い水準になっている大きな要因になっています。

これを本当に民営化させるんであれば、償還主義というその前提をかませないで自由にやらせたらいいのに、なぜここだけは民営化推進委員会に決めさせないで、償還主義をとらせる、五十年の上限、こういうことを決めているんですか。そのことについて御答弁をいただきたいと思います。

いやいや、大臣に。もう石原さんとは何度も議論しています。

■小泉内閣総理大臣
上限ですから、短くしてもいいんですよ。そして、民営化を目指すということと矛盾すると言いますけれども、民営化になった段階でも、これが採算を重視して必要度を考えながらやっていける。別に私は矛盾すると思っていませんが。

■前原委員

五十年の問題はおっしゃるとおりでいいと思います。五十年は上限ですから、短くなっていい。私の言っているのは償還主義の話なんです。

つまりは、今の総理大臣の御答弁は、償還主義をとらなくても、民営化推進委員会で、当面スタートをするのにやりやすい方向で決めることも含めて考えればいいということで、償還主義を絶対の前提としなくていい、そういう御答弁ですか。もう一度お返事をいただきたいと思います。

■小泉内閣総理大臣

私は、償還五十年を上限として、そして国費を投入しない、採算を重視する、そのときの情勢、金利も変動があるでしょう、そういう中で議論をすることによってこれは解決できる問題だと思っています。

■前原委員

違う観点でこの点を言いますと、民間会社というのは、借金を持ちながら経営することは可能なわけですよ。つまりは、ある程度の借金を持ちながら、しかし、金融機関とうまくやり、もうけがある程度あれば、借金をゼロにしなくても民間の企業が経営を営々と続けていくことは可能なわけです。しかし、これには償還主義という、つまりは借金をゼロにします、そういう前提で通行料金を決めるという、この文章からするとこの部分だけ異常に浮いた、あるいは特定した文言が入っているわけです。私はそれを申し上げているんですよ。

ですから、総理大臣、釈迦に説法だと思いますが、返済を言っているんじゃない。償還という言葉は、つまりは、五十年を前提、短ければそれでいいとおっしゃいました。しかし、償還主義というのは、その償還期限を終えたらゼロになるんですよ。そうすると、民間企業はその時点までにもろもろの計算をして通行料金を設定しなきゃいけないということになれば、高くなる。そのことによって、例えば、高速道路が船、飛行機と比べて競争力がなくなるかもしれない。これは民間会社にとって不利じゃないですか。ですから、償還ということを民間会社にのませるということ自体が民間会社の非常に大きな足かせになる、私はそれを申し上げているわけです。

ですから、もう一度御答弁いただきたいんですが、償還主義というものをとらなくても、民間会社が本当に競争力を持って、総理がおっしゃるような国費のむだな投入をなくするようなものになるんであればいいというふうにお考えなんですか。つまり、償還主義は絶対だとおっしゃるんですか。どちらですか。

■小泉内閣総理大臣

私は、そういう技術的な問題よりも、民営化になった場合に、大枠、前提を示していますから、そして、経営者は上場を目指すという中でそれは解決されるべき問題だと思っています。

■前原委員

ということは、今おっしゃったような経営者の努力の中で上場を目指すという選択をすれば、償還主義、何度も申し上げますよ、ある時点が来ればゼロにするわけです。借金等をすべてゼロにする。その償還主義はとらなくてもいい、それが決して前提でないということをおっしゃるということですねということをお聞きしているわけです。

■小泉内閣総理大臣

これは民営化になった段階で経営者の創意工夫が生かされるべきだと思います。

■前原委員
これは大事な発言ですよ。つまりは、償還主義は前提としないということを今総理がおっしゃった。私は、これであれば、今総理がおっしゃったことを前提にすれば、民間会社の議論をするフリーハンドを与えたことになると思います。今おっしゃったことは、償還主義を前提としなくてもいいということは、この枠組みそのものが変わるということだと私は思います。その点、今の御発言には責任を持っていただきたい。ここは私は大きなポイントだということを指摘しておきたいと思います。したがって、民営化の議論の中では償還主義を前提としないという今の総理の御答弁というのは、私はきっちりとテークノートしておきたいと思います。

それで、次に移りたいと思うんですが、きょうは総理、初めて御出席をいただきましたけれども、今まで、実はこの質問の前に三時間、主に石原大臣あるいは国土交通省と質疑をさせていただきました。その中で食い違った答弁があります。

先ほど同僚の細野議員が質問をしたことにもかかわってくるんですけれども、石原大臣は、今の日本の財政状況というものを考えたときに、仮に国費投入をやって民間会社と役割分担をしたとしても、九千三百四十二キロつくるのには千年かかるでしょう、千年かかればできると思います、こういう話をされました。翻って、国土交通省道路局長は、九千三百四十二はつくる、しかも九千三百四十二キロには第二東名の海老名―東京間は入っていない。じゃ、これはどうするんだと言ったら、いや、それも必要ですからということで、一万一千五百二十キロまでやる、国費を使ってでもやる、だからこそ今A'方式という国費を投入しての高速道路もやっているんだ、こういう答弁がありました。

先ほど細野議員に対する答弁を聞いていると、できるだけむだな投資をしない、そのために民営化をするんだということをおっしゃいましたけれども、このままだと、今までのものは民営化して切り離して、新たな道路建設は国費でやるという抜け道を逆につくりかねないような状況になっています。これを封じ込めないと、小泉総理が一番初めにおっしゃった、むだな道路がつくり続けられる、それをなくすために民間の経営手法というものを取り入れるんだということがいわゆるしり抜けになるんですね。

ここで総理大臣にお尋ねしたいわけでありますけれども、つまりは、民間会社にして、そして道路建設ができない、新たな資金調達もなかなかできない、そのときに国土交通省が、いや、国費でやりますというところでどんどんどんどん九千三百四十二キロもやる、一万一千五百二十キロもやるということになれば、総理が民営化を目指された趣旨とは大きく異なってくるというふうに思われませんか。その点について御答弁をください。

■小泉内閣総理大臣
そう思ってはおりません。

どうしても必要な道路だったらば、国としては税金を投入してもつくらなきゃならない道路も出てくるでしょう。将来、先のことはわかりませんよ。それは、財政状況、必要度を勘案してつくるべきものだ。

■前原委員
では、そもそも論に返って質問をいたしますが、道路公団方式で国幹審が決めたことを整備していかなくてはいけなかった。その中で総理は、民営化しないとむだな道路がつくられる、むだな投資が続けられる、こういうお話をされていたと思うんですね。

その部分、国費を投入するものについては構わないということでありますけれども、それだったら民営化する意味がないんじゃないですか。道路公団方式でもいいんですよ。道路公団方式でやって、そして国の補助金は、これは総理の英断でとめられた。構わない。道路特定財源、道路五カ年計画、そういうものを見直して道路に対する予算をなくしていけば、別に民営化する必要は何もないんですよ、そこでチェックがかかるわけですから。そうしたら、この民営化の議論そのものが、今の御答弁だと、民営化するという目的そのものが希薄、目的が乖離してしまうわけですよ、最初おっしゃったのと。違いますか。御答弁ください。

■小泉内閣総理大臣
違います。道路公団民営化しなかったら、既存の計画どおり進んでいますよ。幾ら税金が投入されるかわからない。幾ら負担がかかるかわからない。それが、民営化することによって違ってきたんでしょう。明らかに違います。

■前原委員
そこまでおっしゃるんでしたら、私は、小泉総理の戦略に穴がある、これを申し上げたい。

つまりは、同じ方向性で多分議論ができていると私は思うんです。日本の国家財政を考えたときには、道路をつくり続けるという仕組みはおかしい。また、道路公団方式であれば、今総理が御答弁をされたように、これからも道路をつくり続けるでしょう。そういう懸念があるのはそのとおりです。

ただし、民営化をしても、総理は御出席されていませんでしたけれども、国土交通省は、道路はつくり続けます、九千三百四十二キロ、これでは足りない、一万一千五百二十キロまでやると。しかし、石原大臣は、今の日本の財政状況を考えたら千年たてばできるかもしれない、こういう話なんですね。

確かに、我々国会議員が一年一年予算を国会の中で議論します。しかし、そこで、先ほど戦略で穴のあいている部分があると申し上げたのは、道路特定財源、またその道路特定財源に裏打ちをされた道路五カ年計画、これが結局は予算の担保を与えてしまっているわけです。

つまりは、小泉総理が初め出てこられたときの一番大きな目的である道路特定財源の一般財源化ということをもう少し広げていって、そして、来年、道路五カ年計画の見直しの年なんです。多分、来年の通常国会に新たな五カ年計画が出されます。そこで、道路特定財源を全くなくせ、そういう極端な議論はしませんけれども、民主党が政権とれば多分そういう議論にすると思いますけれども、道路特定財源をより一般財源化していく。それと同時に、五カ年計画を大幅に道路に対して縮小する。五カ年で幾らあるか、総理、御存じですか、五カ年計画。七十八兆円あるんですよ。これは大き過ぎますよ、何が何でも。

ですから、そこの改革をしっかりやった上で、国費投入というもののしり抜けをなくして、そして、民営化すると同時に、国費でどんどん、国の借金が大きくなっていっても道路の財源だけは守られ、道路がつくり続けられるというその特定財源の問題と五カ年計画の見直しというものをしっかりやらないと、総理の意思は反映されないと思いますよ。それに対して御答弁ください。

■小泉内閣総理大臣
民営化する前に五カ年計画を見直せだとか今までの幹線道路の必要性を見直せというのがいいのか、民営化が先か。私は、民営化の議論が出てきたからこそ、今までの計画を見直すという議論が促進されると思っています。それは見方の違いであります。

■前原委員

それは全く詭弁ですよ。

つまりは、先ほど、道路公団方式でも私は改革ができるというふうに思っていますということを申し上げた。なぜかというと、道路特定財源を一般財源化して道路にお金がかからないようにする。あるいは、五カ年計画、五年間で七十八兆円、この大部分が特定財源に裏打ちされているわけです。だから、そういうものを縮小して、そして道路に対しての国費というものが投入されないようにしていけば、民間会社にするということ以外にも、道路へのむだな投資というものを防ぐということは十分できると私は思いますよ。

だから、総理のおっしゃることとは、私は観点が全く違います。先か後かの議論はどうでもいいんです。どうでもいいというのは失礼かもしれない、答弁されたんだから。

では、それは横に置いておいて、今申し上げたところで御理解をいただいていると思いますけれども、先か後かの議論ではなくて、本当に小泉総理が、むだな道路の投資はやらない、必要なものは国費でもつくったらいい。私もその同じ考えです。間のあいているところとかあるわけですから、そこはつながらないと意味のない高速道路もある。だから、ゼロにしろなんということは私も言っていない。

しかし、むだな道路投資というものを今後しり抜けにせずに、しっかりと本当に必要なものというものにしていくためには、道路特定財源のより一般財源化と五カ年計画。七十八兆円もあって、来年ちょうど見直しなんですよ。小泉内閣の構造改革、本物であるということになれば、より広範囲な一般財源化と五カ年計画の見直しというのは必要じゃないですか。

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