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154回-衆-内閣委員会-06号 2002/04/12 (3/4)

■前原委員
ちょっと、しっかり質問を聞いておいてくださいよ、時間の浪費ですから。

私は九千三百四十二キロの話をしているわけじゃないんですよ。九千三百四十二キロを前提に今まで道路公団はやってきた。それで、おっしゃるように、なかなか難しくなってきたので、A'方式もあった、我々からいうと薄皮方式というものもやってきた。

それで、私は何を言っているかというと、九千三百四十二まで、道路公団、やれと言っていない。今、大臣の話だと、本来は道路というのは国でつくるんだから税金でやったらいいですよという話をしているわけですよ。そういうことであれば、じゃ今までつくったものを一遍切り離して、その管理だけ。新たな建設は要りませんと。借金して、今お金は集まらないでしょう、財投機関債も。金融機関に頭を下げてようやく五年間で借りたそうじゃないですか、足りない部分を。そういうことをしなくても、新たなものをつくらなくて、そして今までのものを維持管理するんだったら、道路公団方式でできるでしょう。民営化する必要はあると思われますか。それだけを答えてください、その質問をしているんですから。

■藤井参考人
国費がないという形でのこれからの運営については……(前原委員「いや、新線建設がない」と呼ぶ)もう一回言います。収入が約二兆円あります。それで、返すお金を引きますと約八千億ぐらいの余剰金が生まれます、言ってみれば余裕が。これでもって建設をしても採算がとれて償還できるという前提で物を考えていますので、そのときにもし新線建設をしないという判断をすると、この八千億という、償還を、残した後の料金収入の余裕、これの使途をどういうふうに使っていくのかという議論になります。これについては、私どもは、今まではそういう建設に充てますよということを申し上げてきたわけです。

この八千億の余裕というものをどうするかというのは、これは国全体で最終的にお決めになられる問題だと思います。それも今度の第三者機関の議論だと思います。

先生は、もう一切建設をやめるということは、その八千億は余裕として出てくるわけです。それを全部返す方に回すというのもあります。そこら辺の思想が統一されておりませんから、私どもはそれを建設費に充てるということで、むだなことはやりません。むだなことは一切しません。しかし、それだけの余力、八千億という建設費に回す余力については、私どもは今現在こう考えていますという御説明をしただけです。

■前原委員

答弁内容がわかりませんので、資料を要求したいと思います。

つまりは、私の質問したかったのは、新たな新線建設をやっていく、その前提が国費ということであれば、今までのつくったものの借金の返済、そして通行料収入、そういったもので、道路公団方式で十分やっていけるんじゃないかということなんです。その質問の答えを今総裁はされていません。

つまりは、新線建設がなくなった場合の道路公団の、減価償却とかそういうものが入っていないいわゆる貸借対照表でいいですよ、それを御提出いただきたいと思います。

■大畠委員長

この要求については、理事会で諮らせていただきます。

■前原委員

大臣、先ほどから話がかみ合っていません。別の観点から質問したいと思いますが、小泉総理大臣が予算委員会で、九千三百四十二キロメートルなんてできっこない、こうおっしゃいました。あなたはどう思われますか。

■石原国務大臣

これは前回の委員会でも御答弁させていただいたんですが、要するに、採算性の部分にやはりどうしてもかなり問題があるんじゃないかという指摘が数多く出されているんですね。採算性がとれるというような数字、すなわち、需要見通しが甘くて、現実になれば計画どおりできますけれども、その計画どおりにどうもできないんだろう。そしてまた、つくったら赤字、すなわち償還ですから、借りたお金でつくって、赤字になって返せなくなるんじゃないかというおそれがあるから、初めてこの道路公団の民営化という議論が出てきたと御理解をいただきたいと思います。

■前原委員

私の質問に答弁していない。できると思いますかという……(石原国務大臣「できると思うからこういうことになったという今お話をしているんです」と呼ぶ)

では、もう一度答弁してください。いや、イエスかノーでいいのですよ。九千三百四十二キロはできるんですね。

■石原国務大臣

今のままではできるかどうかわかりませんけれども、私は、今のままのやり方ではできないと思います。

■前原委員

民営化がどういう形になるのかわかりませんけれども、五十年償還期間、そちらの土俵に乗って話をして、それでできると思いますか。

■石原国務大臣

先ほども議論をしておりますように、現行の道路公団がそのまま存続して、償還主義をとって、つくることはできるかもしれませんけれども、お金を返すことができなくなると思います。

■前原委員

ここの問題が明らかになったのは、要は、国費を投入してつくり続けようというところが見え見えなんですよ。となると、民営化するという一つの大きな意味のむだな投資、これは石原大臣がおっしゃった言葉をそのまま使いますが、むだな投資が抑制されるという当初の目的とは乖離した話になるわけです。

つまりは、国費を投入して仕組みを変える。そして、片や民営化という形は整えるけれども、結果的には、この間もお話ししましたけれども、五年間で七十八兆円の道路五カ年計画、道路特定財源、そして九千三百四十二、一万一千五百二十、その上の一万四千、そういうものが前提としてある以上、先ほど、五十兆の税収で八十五兆を歳出して、こんな国で道路がつくり続けられますかということでありますけれども、道路局の人たちは、そんなことは知ったことじゃない、そういう法律、整備計画がある以上は道路をつくり続けるんだ、こういう話になるわけですよ。

結局、民営化の議論というのは、その前提が崩されない以上、国費で幾らでも道路をつくり続ける、当初目的であったむだな投資を抑止するということにはならないのですよ。この議論は水かけになりますけれども、私の議論をどう思われますか。その点についてお答えください。

■石原国務大臣
前原委員の議論は、政府のつくる予算を否定しているところに始まっているからそのような議論になると思います。

すなわち、国費で道路をつくる場合は、予算で厳正な審査というものがある、チェックがあるわけですね。しかも、先ほど言いましたように税収が五十兆円弱と限られたものであるならば、赤字国債を出さない限りはどんどんむだな道路がつくれるわけはないとお考えにはならないでしょうか。

■前原委員
ということは、新たな仕組みになったとしても、今の日本の財政状況を考えれば、九千三百四十二キロは、どんな枠組みをつくってもできるかできないか、どう思われますか。

■石原国務大臣
千年かかれば理論的にはできるんじゃないでしょうか。

■前原委員

今まで議論したので一番いい答弁だ。だから、要はできないということなんですよ。できないということを、では、さっきの話だと、国土交通省は九千三百四十二キロをやる、第二東名、第二名神は必要だ、第二東名、海老名―東京間は九千三百四十二キロにも入っていない。全く矛盾しているじゃないですか、議論が。これは、国の中で行革担当大臣と国土交通省の道路の局長との答弁が食い違っていることになります。その点が精査されない限り、これ以上議論しても、この民営化の議論というのはできないのじゃないですか。委員長の御判断をいただきたいと思います。

■大畠委員長

前原委員の質問のこれまでの経過等々を見ますと、政府といいますか、大臣の答弁の内容と前原委員が基本的に考えているものが非常に食い違っていることは、私自身もそう思います。

したがって、そのところなんですけれども、委員長としては、その食い違っているものをより明らかにするように、前原委員がちょっとさらに内容を吟味して質疑を続けていただきたいと判断します。

■前原委員

それでは、委員長の御発言でございますので、重く受けとめて、合同審査があるそうですので、国土交通大臣と行革担当大臣の発言が食い違えばその議論は前提として成り立たないということを留保した上で、質問を続行させていただきたいと思います。

しつこいようですが、もう一度償還主義。これは償還主義である限りだめなんですよ、本当に。これは多分内容をわかってもらえると思う。償還主義でやる限りは、つまりは、民営化すれば何年で金を返すかどうかという話じゃなくて、とにかく、どうして競争力を保って、そしてどうして民間会社としてやるかという議論に立つわけですよ。償還主義に立てば、さっき申し上げたように、いろいろなコストを平準化する中で料金設定しなきゃいけないのです。私は、償還主義というのは民営化の議論と哲学として絶対に合わない。そう思われませんか。

■石原国務大臣

前原委員の議論は、昭和三十一年、公団ができる前、このような場所があって議論をすれば、私もそちら側で、いろいろ償還主義の問題点、先ほど私の方からも問題点を指摘しましたけれども、議論になると思うのですが、もう現に公団という形で四十年動いてきて、そして償還期限をどんどん上にしていくような形で償還計画に矛盾が生じているというような指摘を受けるようになって、ですから今この改革に着手したということはぜひ御理解をいただきたいのですね。

それとあわせて、この償還主義をやめるんだということになりますと、整理合理化計画で、実はそこに至る段階で今委員としたような議論は党の中でもなされたわけですけれども、償還主義を前提として、償還主義を一つのキャップにしてむだな道路をつくらない方法ということで対応してきたという経緯も、実は御理解いただきたいと思っております。

■前原委員

今まで償還主義で来て、そして借金があるから償還主義を続けなきゃいけないという議論は、それはあり得ないのです、そういう議論は。

では、実例を申し上げましょう。国鉄からJRになって、国鉄だって三十数兆円の借金があった。それをJR各社が持ったわけですけれども、JR各社は償還主義をとっていますか。償還主義をとっていないでしょう。つまりは、いつ借金を返すかじゃなくて、いかに民間会社として私鉄との競争に勝つか、あるいは高速道路との競争に勝つか、飛行機との競争に勝つか、船との競争に勝つか、そういうことにおいていろいろな料金設定や、あるいは投資をしたり、不採算分野をカットしたり、まさに民間会社としてやるべきことをやっているんじゃないですか。いつまでに借金を返すという前提に立ったときに、そういう競争力、本当に民間会社として生き残っていくための経営ができないじゃないですか。

■石原国務大臣

委員の議論は、グッドとバッドにストックの資産を分けて、バッドの部分を棚上げして税で負担をすれば、償還主義はなくても自由な裁量で料金を設定するということができると思いますけれども、すべて借りたお金は償還主義の枠組みで返そう、そういうところにこの改革の原点がございますので、意見が食い違うんだと今理解いたしました。

■前原委員
原点に置いていることが大きな間違いだと言っているわけですよ。

今のJRの例を聞いておられて、償還主義をとらなきゃいけないと本当に思われますか。つまりは、民営化、民間会社にするということは、何年で借金を返すという前提ではなくて、ひょっとしたらうまくいったら早く返せるかもしれない、競争力をつけるまでは、借金を返すんじゃなくて利息だけ返すということに一生懸命で、そして何とかやりくりをしていこうということで経営資源を集中投資することもやるかもしれない。それがまさに民間会社としての創意工夫であり、いかに生き残っていくかという競争の話じゃないですか。その民間会社を前提としたときに、何で償還主義というものの足かせをかけてやるんですか。それを私は言っているんですよ。償還主義を原点だということ自体が間違っているということを申し上げているんです。