151回-衆-国土交通委員会-24号
2001/06/20 (2/3)
■竹村政府参考人
御質問の御心配でございますが、私ども、ことしの五月のいわゆる連絡協議会で御了解を得ただけではなくて、昨年、この排砂に反対している団体の方々と一緒に、現在、宇奈月ダムまたは出し平ダムにたまっている底質の調査を実施しまして、そのデータを確認し合ってございます。現時点では、私どもの調査では、ダムにたまっている底質は砂質系、いわゆる砂系でございまして、漁業に悪影響を及ぼすような有機物等はないと確認してございます。
ただし、自然が相手でございます。今御指摘の平成三年の出し平ダムの排出した砂は、昭和六十年に完成したダムが六年間ためてしまったいわゆる草花でございます。ですから、六年間ためたということは、かなり有機物が集積したなという認識を私どもしておりますが、今回の私どもの排砂に関しましては、去年は出水がなかったのでやっておりませんが、今回の、きのう、きょう私どもがやっている中で、きちんとそのデータを集積して、関係流域の方々すべてと一緒になって調査をし、そのデータを公表し合って、その後の私どもの河川の管理の議論の材料にしていきたいと考えてございます。
補償につきましては、この段階では私どもコメントする状況にございませんので、御容赦願いたいと考えてございます。
■前原委員
調査をしたとおっしゃいますけれども、例えば、反対をされている方々が推薦をされている方々、専門家については、例えば黒部川土砂管理協議会や黒部川排砂評価委員会のメンバーに入っていませんよね。審議会方式というのはいつもそういう批判が出てくるわけでありますけれども、行政の都合のいい人たちを集めて審議会、協議会をつくって、そこで調査をしてオーケーであれば、いろいろ第三者に話を聞いて大丈夫だったからいいんですよと。これは余りにもお手盛りだと思いますし、審議会方式をむしろ形骸化させるものである。
やはり行政が懐深く情報公開を徹底するというのであれば、住民の方々から要望のある、例えば具体的に名前を申し上げますと、東京水産大学の資源維持研究室の助教授をされている水口憲哉先生とか、あるいは、きのうも調査をされていたと新聞報道には出ておりましたけれども、金沢大学理学部地球学科教授の田崎和江先生とか、そういった反対派のグループの方々が、別に今申し上げた二人は反対派の方々にくみしているんではなくて、いろいろ調査をされた結果、反対派のグループの方々がその先生方の意見はぜひ尊重してもらいたいということで、別に連動しているんではなくて、結果論としてその二人を推薦されているわけでありますけれども、そういうメンバーが審議会に入っていない。それで、審議会で十分調査をしたからやるんだ、大丈夫だというのでは、お手盛りの批判を免れないと思うんですね。
そういう人たちをしっかり受け入れる度量が行政にあるのかどうかということと、現時点ではコメントできないとおっしゃいますけれども、さっき局長がまさにおっしゃったように、自然を相手にするものですよね。被害が出ないとも限らない、幾ら行政が精緻に分析をされたとしても。その際には、やったことに対して責任を持つのは、行政としては当たり前のことじゃないですか。
この二点について、御答弁をいただきたいと思います。
■竹村政府参考人
まず、第一点の委員につきまして御説明します。
本委員会は、平成十年にスタートしておりまして、学識経験者十二名で構成されております。特に水産関係の先生、中村委員、この方は富山県の水産試験場長でございます。そして、本城先生、この方は、現在は九州大学の先生でございますけれども、当時、水産庁の日本海区の水産研究所長でございました。そして、現在の水産庁日本海区の研究所長であります小川委員、そして富山大学の淡水魚の田中教授、また富山大学の理学部の竹内教授等の、私ども北陸地方整備局が、地域の方々、長年その地域で研究されている方々の御意見を聞く、それで、ふさわしいと判断された先生方を中心としましてこの委員会が発足されたと聞いてございます。
この委員会はすべて公表しております。そして、データもすべてインターネットでアクセスできることになっております。ですから、この委員会が、この学識ある先生方がお手盛りの論議をしているということは断じてないんではないかということで、各先生方の専門分野の英知を集めて議論されていると認識してございます。
そして、第二点目でございますが、本黒部川は、一たび洪水が起きますと大変な被害が起きまして、昭和二十七年、そして昭和四十四年、そして平成七年と大変な災害が起きまして、下流の黒部市、入善等の人々の生命と財産を守るということと、水力発電をやるということでございます。特に水力発電は、出し平ダムと宇奈月を合わせて三年間で、もし火力発電でやったら甲子園一個分、つまり、火力発電に換算しますと甲子園球場一個を原油で埋めたぐらいの意味の、そのような価値のあるクリーンエネルギーでございまして、この公共性というのは大変重要なことだと思っています。
そのダムの公共性と、なおかつ永続的に管理していきたいということと、そして下流の海、そして川の関係者に被害を与えないという、ぎりぎりの私どもの英知を絞ってこれから河川管理に当たっていきたいと考えてございます。
■前原委員
二問目にはまだ答えていないんですね、局長は。
一問目も、これは具体的な名前を申し上げるとその方に迷惑になります、差しさわりがありますけれども、国の審議会のメンバーになるということは、大学の先生方もみずからの研究についての結論というものを相当縛られるという話を私はいろいろな方々から伺いました。
なぜかというと、例えば論文で、国土交通省、昔の建設省などの考え方に少しでも反するようなことがあれば、局長が呼び出したのかどうか知りませんけれども、建設省に呼び出しを食らって、この論文はどういうことですか、こういう考え方を持たれているんであれば審議会にこれ以上入ってもらうことはできませんねというおどしをかけられたという先生方の話も私は何名か聞いたことがあります。
したがって、今局長のおっしゃるように、審議会の先生方が立派な方々かということについては、私はそれに異論を挟むつもりはありませんが、出る結論については、かなり行政の方向性というものに縛られているということを審議会のメンバーに入られた先生方もおっしゃっているんですよね。そういうことを多くの国民も気づき始めているわけです。
となれば、反対派の方々が推薦する方々を入れてけんけんがくがくやってもらった方が、より公正な審議会であって、その出てきたものの結論については、より行政が胸を張ってやれることになるんじゃないですか。もう一度御答弁をいただきたいと思います。それが一点。
それから二つ目は、万全を期したとおっしゃっても、被害が出た場合は当然損害補償をするんですねと。今は言う段階ではないということじゃなくて、これはもう、きのう、きょうでやるわけでしょう。それで、被害が出たときに行政として責任を持つのは当たり前じゃないですか。もう一度答弁ください。
■竹村政府参考人
第一点目の研究者のことに関しましては、あくまでも私ども、全国の各地でさまざまな委員会を持っていただいておりますが、すべて出先の地方整備局がその地域で長年、その地域の気象状況、地形、地質等を熟知した方々のお知恵を拝借していくということで、各地方の判断に任せてございます。
そして、その運営につきましては、すべてオープンにする、どなたでも、私どもの行政に疑問を持っている方でも自由にアクセスできるという体制をとって、さまざまな場で討論できる、知識を共有するということを私ども担保していけば、これからは開かれた行政、そして、疑問を持っている方々といつでも私どもお話し合いをしていくという開かれた行政を現在進めているところでございますので、この評価委員会の運営に関しましては、このお答えで御容赦願いたいと考えてございます。
二点目につきましても、繰り返しになりますが、私ども、すべての国の行政というのは、治水、利水、環境というさまざまな側面を持ってやっております。治水をするために、洪水から人々を守るために、何らかの営みを自然に働きかけるわけでございますが、そのときにリアクションとして得たさまざまな影響というのはどういう程度のものか、受忍の範囲なのか、それとも受忍を超えるものなのか、その段階でその地域でみんなで議論して、私どもが国としての判断をしていくというのが過去の行政でございましたし、これからもそういう行政は、私ども、実質さまざまな局面で行っていくということだけはお答えさせていただきますが、一般論としてはお答えさせていただきますが、個別の件につきましては、ここではお答えをするのを差し控えさせていただくということでお答えとさせていただきます。
■前原委員
水かけ論になりますので、また、ほかの質問もしたいのでこれでやめますが、先ほどおっしゃった協議会の問題は、出先で決めるとおっしゃいましたけれども、出先に行っている人も基本的には国土交通省から行っている人で、私は、本省の許しを得なくて勝手に決めるなんということはあり得ないと思いますよ。
したがいまして、やはり行政としてはいろいろな方々の意見を聞くという度量を持っていただきたい。これは、僕は河川局長とは吉野川の問題でいろいろ議論をさせていただきましたけれども、そういう部分が欠けているところで公共事業に対しての根強い批判というものもあるということを、この際改めて指摘をしておきたいと思います。
また、二つ目のお答えについては、一般論でおっしゃいましたけれども、受忍の範囲を超えればそれについては行うということであって、今回個別の問題ではおっしゃっていませんけれども、その一般論が今回の場合に当てはまれば当然補償はしていただくということで私は理解をいたしましたので、その結果を、推移を見守って、もちろん被害は出ないことにこしたことはありません、また、被害が出ないように万全を期していただきたいということをお願いいたしますけれども、そのお答えについては担保をさせていただきたいと思います。
次に、公共事業の見直しについてでありますが、先般、五月十六日にこの国土交通委員会で質問をさせていただきました。そのときにポイントになった議論のポイントは二つあります。一つは公共事業費の削減の話、もう一つは道路財源の一般財源化の話であります。
それで、三十兆円という国債発行の上限をかぶせるということを小泉さんがおっしゃっているわけですね。これは扇大臣もこの間答弁をされておりましたけれども、そのためには三兆三千億ぐらい削らなきゃいけないと。三兆三千億ぐらい削らなきゃいけないということは、もちろん、それをすべて国土交通省で削れということじゃありませんが、当然ながら、国土交通省もその一部を分担しなくてはいけない。そして、五月の末には何らかの形で、どこをどう削れるかみんなで考えようということを申し上げましたということをおっしゃいましたけれども、話によると、まだ何か具体的に決まっていないということであります。私に対しては五月末に何らかの形で検討するとおっしゃっていましたが、どうなっていますか。
■扇国務大臣
今前原先生がおっしゃいましたように、小泉内閣において、十四年度の予算要求のときには国債発行を三十兆円以下に抑える、これは公約でございます。まして、私ども小泉内閣に属する者は、すべからくこれを認識しておりますし、しかも、聖域なき構造改革も我々はそのとおりに実行しようと思っています。
それから、前原先生に私お約束しましたのは、このこととは別に、国土交通省として、私が就任以来、昨年の建設大臣以来ですけれども、日本の国土づくりのグランドデザインをつくるということを私は言い続けておりまして、それを五月の末にできれば発表したい、そういうことをお約束して、私は二月から四月まで、全国を十のブロックに分けて、全国の知事さん、あるいは政令指定都市の市長さん等々と懇談会を開いてまいりました。
ところが、五月の末近くになりまして、経済財政諮問会議というのが小泉内閣でつくられまして、それは、前原先生御存じの、森内閣のときに緊急経済対策という四つの項目がありまして、一番最後に都市基盤整備というのが出ておりました。それに関連しまして都市再生本部が内閣に設置され、もう一つ、経済財政諮問会議が設置されまして、その経済財政諮問会議において、あす発表になると思いますけれども、骨格が大体固まってまいりましたのが五月の末でございました。そのときに、関連閣議を開きましたときに、私が、自分がつくろうと思って、発表しようと思っていたグランドデザインと経済財政諮問会議で公共工事を見直ししようということとの整合性が、そこで差異があるわけですね。
そこで、私は、むしろこれは、国土交通省独自の私のグランドデザインは、政府全体で経済財政諮問会議がつくられて、竹中大臣を担当としてこれをしているのであれば、私が発表したのとそこに整合性がなければいけないということで、記者会見をいたしまして、これはこういう事情で私は先延ばししましたと。ただ、先延ばししたのは先送りしたという意味ではなくて、こういうことを、三十兆円の枠以内であるとかないとかと関係なく、国土交通省としては、今までの縦割り、あるいは運輸省、建設省等縦割りでしていた行政を、一つになったからこれだけ効率が上がった、さすが国土交通省になってこんなに変わったということを国民の皆さんに御理解をいただきたい。そのために、私は独自の案、削るべきものは削る、そして削ったものをどこにどうすれば二十一世紀の日本の活性化に役立つか、その配分も含めて、私は全国歩いたわけでございます。
例えば先生のお地元の中部地区なら中部地区、近畿地区なら近畿地区の全知事さんが、今まで他県の知事さんの話を二時間半缶詰で、例えば京都、大阪、奈良、三重、兵庫ですか、全部お集まりになって人の話を聞いたことがないと。そして、お互いに譲るべきところは譲ろうと。自分の県の公約したものだけではなくて、ブロック単位で物を考えようという大変ありがたい御意見を私はいただきまして、近畿は一つという、そういう考えのもとに、お互いに公共工事も譲り合おうと。各地区で皆さん方にそういう動きが出てまいりました。
私は、少なくとも、経済財政諮問会議の骨格が二十一日、あす発表されますが、その以前に、国土交通省として、公共工事で切るべきものは切る、そして、見直して集中的に投資しなければ二十一世紀の国際社会に日本が立ちおくれるという部分を判別しまして、発表させていただくつもりでおりますので、先生にお約束したのが少し延びておりますけれども、それは先送りしたのではなくて、その結果を発表させていただくということを改めてお約束させていただきたいと存じます。
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