前原誠司の「直球勝負」(39)
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第15回日韓フォーラムに参加して
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日本国際交流センターが主催する日韓フォーラムに、今年も参加させていただいた。去年は淡路島での開催だったが、今年は釜山。8月28日から3日間、ホテルに缶詰だったが、極めて充実した議論を行うことが出来た。日本側の議長はキッコーマン株式会社の茂木友三郎・代表取締役会長、韓国側の議長は孔魯明・前外務部長官。両国から学者、財界人、ジャーナリスト、国会議員(我が党からは岡田克也・衆議院議員と福山哲郎・参議院議員)が参加していたが、テーマを決めて日韓双方から基調報告を行い、徹底的に議論するというスタイルだ。セッション1が「日韓両国の最近の政治・社会情勢と展望」、セッション2は「日韓関係の最近の動向と評価」、セッション3は「東アジアの安全保障と平和協力」、セッション4は「アジア・太平洋地域経済の進展と日韓協力」、そして最後に総括の討論を行う。ちなみに私はセッション 1 で、日本側を代表して基調報告を行った。日本は参議院選挙で与野党が逆転し、日本の民主主義で初めて両院のマジョリティーが異なる状況を迎えたことを紹介し、何が選挙の勝敗を分けたのかという分析と共に、今後の日本政治の展望と政策課題について私見を述べた。
9月12日に安倍総理は辞意を表明したが、私の会議での予想は、年内総辞職、そして新たな総理の下で5月か6月には解散・総選挙が行なわれるというものだった。安倍総理も辞めるのであれば、参議院選挙の直後に辞めておくべきだった。しかも、所信表明演説まで行っておいて、いざ代表質問が行われる直前に「ドタキャン」をする形で辞めたのでは無責任の謗りを免れない。いずれにしても、新たな総理で組閣が行われるであろうが、早い時期の解散・総選挙で、民意を問うことが望まれる。
韓国でも今年の12月、大統領選挙が行われる。韓国は大統領の任期が1期5年と決められており、野党ハンナラ党の候補者は前ソウル市長の李明博氏に決まっている。あと約4ヶ月間で、与党の統一候補が誰になるのかという点と、李明博候補の不正蓄財などのスキャンダルがどこまで暴かれるかが焦点となろう。北朝鮮の金正日・軍事委員長は当然、韓国の大統領選挙に強い関心を持っているだろうし、北朝鮮の水害で延期された、南北首脳会談がどのような成果を挙げるのかどうかも、大統領選挙の結果を大きく左右することになるだろう。
私は、日本の政治情勢以外に、2点を強調した。まず1点は、日本の対北朝鮮外交を切り替え、関与型(エンゲージメント)に変えるべきだという点。もう1点は、韓国の軍事力整備の目的、特にイージス艦導入に至った戦略目標が不明であり、日韓両国がより緊密な防衛協力、防衛交流を行い、お互いの疑念を払拭するよう努力すべきだという点だ。
安倍内閣は言うまでもなく、拉致問題を極めて重視し、拉致問題の解決なくしては北朝鮮に一切の支援をしないという姿勢を採り続けている。また、安倍さん自身も拉致問題で強硬姿勢を示し続けることによってスターダムにのし上がったのだから、安易な妥協は到底、出来ないだろう。確かに拉致問題の解決は大切だ。拉致されたご本人、そして家族の方々の辛苦は想像を絶するものがある。ただ、核問題のハンドリングを間違えば、日本や他国に、致命的な被害を及ぼしかねない問題だ(「直球勝負」(26)をご参照下さい)。安倍さんが退陣するこの機を逃さず、2002年の日朝平壌宣言に立ち返って、日朝間の交渉を主体的に、粘り強く行っていくべきだと考える。
他の人が発言されたので私は述べなかったが、日韓FTA(自由貿易協定)を早く締結させることも、経済面のみならず、政治面、人的交流の面でも日韓関係がより深まることになるだろう。韓国の現政権では足踏み状態にあった日韓FTAを、両国の新たなリーダーが締結に向けて努力してもらいたい。
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