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前原誠司の『直球勝負!』

前原誠司の「直球勝負」(2)

梅小路蒸気機関車館

6月9日の夕刻、久しぶりに梅小路蒸気機関車館を訪れた。JR連合・京都地方本部の坪井委員長から声をかけて頂き、田口・梅小路運転区長をはじめ現場の方々にお世話になり、閉館後もゆっくり見学させていただいた。

私の蒸気機関車(以下、SL)好き、鉄道ファンの仲間入りは、今から約35年前に遡る。親父に連れられて梅小路機関区を初めて訪れたがきっかけだった。それ以来、ここには数えられないほど足を運んだ。今なお動態保存機がわずかながら残る。動くSL,汽笛の音、そして石炭が燃えて生まれる煙のにおい。なぜ、好きなのかを聞かれても説明は出来ないが、ただただ、無性に好きなのだ。この日は、研修用にD51200(D51という形式の200号機)に火が入り、転車台を回る姿を眺めることが出来た。また、日本のSLのスターであるC622(C62という形式の2号機)が表に置かれ、煙を上げていた。運転室に入らせてもらい、機関士席に座らせてもらう。加減弁やブレーキ、さまざまな計器類について説明してもらうが、とにかく熱い。しかし、憧れの機関車の運転席に座れること自体、感激であった。  

全国で動態保存のSLたちが走っている。それ自体、私を含めSLファンにはたまらなく嬉しいことであり、長く続くことを心から願っている。しかし、動態保存は周りが思うほど簡単ではない。まず、検査に莫大なお金がかかる。現にJR北海道が運行させていたC623は資金面、経営面の問題から動態保存を打ち切り、静態保存に戻してしまった。今、北海道で走っているSLはC11という小型の機関車で、小型であるゆえ経費は安くつく。しかし、大型機ほどの魅力は残念ながら感じない。また、古いSLが走り続けるというのも機関車自体の大きな負担になる。JR九州で走っていた大正生まれのSLは、もはや走行できなくなり、動態保存を打ち切った。特別な装備のSLを保守・点検できる企業や人が、だんだんと少なくなり、将来は暗雲が立ち込める。SLのみならず、日本の文化財や伝統技能を継承していくためには人材の育成と企業の理解、更には国民の理解が不可欠だ。採算の合わない分野にお金を使うことの理解を得られるかどうかにかかってくる。あるいは、企業やNPOに対して個人や企業が自由に寄付し、税額控除を受けられる仕組みを作ることも、一つの解決策になりうる。  

私にはSLに関する夢がある。それは、梅小路に在籍するC622(現在、本線走行は不可能)と札幌の苗穂に静態保存されているC623の両機が、本線走行が出来るように動態復元され、重連(機関車が2両連結で客車や貨車を引っ張ること)で小樽と長万部の函館本線(山線)を急行「ニセコ」として復活することだ。現役時代を見られなかった私にとって、考えるだけでワクワクする「夢」である。