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前原誠司の「直球勝負」(71)〜日米同盟、今後の連携課題〜
前原誠司の「直球勝負」(71)
日米同盟、今後の連携課題(2009.4.16 於ワシントンD.C. シーパワーダイアログ講演録)
皆さん、今晩は。民主党・衆議院議員の前原誠司です。今日は錚々たる皆様方の前でお話が出来ることを大変、光栄に存じます。また、この会議にご招待いただいたパシフィックフォーラムCSIS、海洋研究財団の皆様に心より御礼申し上げます。
日本では一昨年7月に参議院選挙がありました。その選挙で民主党は大躍進し、与野党の勢力は逆転しました。そして、遅くともこの9月までには衆議院の解散・総選挙があります。この選挙で必ず勝利し、政権交代を実現し、日本にも政権交代可能な2大政党政治を定着させたいと考えております。
しかし、仮に民主党が政権を担おうとも、日米関係が日本外交の基軸であるというスタンスが変わるものではありません。むしろ、安全保障の分野だけではなく、環境・省エネ、金融・経済などといった様々な分野でも、更なる協力関係の深化が求められると考えます。今こそ、安全保障だけではない、様々な分野におけるトータルパッケージの日米協力を再構築しなければなりません。
私は先月、インドネシア、ベトナム、シンガポールの3カ国を訪れました。昨年秋以降の経済危機の影響を調べることが主目的でしたが、私がお会いをした国の首脳が、日米安保の重要性を指摘していたのは印象的でした。これから世界の成長センターはアジアである。そのためにはアジア・太平洋地域の安定は不可欠であり、アメリカのプレゼンスは安定、発展のための公共財である。従って、その架け橋になっている日米安保は重要だという考えです。私も全くその通りだと考えます。日本の安全保障のみならず、アジア・太平洋地域の安定のために、今後も日米安保体制を堅持し、関係を強化していかなくてはなりません。
しかし、時代の変化と共に、周辺環境に十分配慮をしながら日米安保関係を絶えず見直していくことも重要です。例えば、13年前に合意したSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告書は未だに履行されていません。世界一危険だと言われる普天間飛行場の移設は、未だに実現していません。現在、日米両政府はキャンプシュワブへ移設するとの考え方を持っていますが、仮にこれが履行されても、普天間飛行場の返還は10年以上かかるでしょう。その間に、ヘリが市街地に墜落などして大きな犠牲が出れば、沖縄に集中している米軍基地の存続が根本から揺らぎ、日米安保体制そのものが問われることになります。そのリスクを回避するためにも、日米両国で海兵隊の司令部や部隊、演習場のあり方を見直すなどして、一から青写真を作り直すべきだと私は考えます。
また、アフガニスタンやパキスタン、イラクなどの国家の安定は極めて重要だと考えますが、テロとの戦いを現在のように進めていって、本当にこれらの国に平和と安定が訪れるかを、今一度世界全体で考え直す必要があると考えます。このような視点に立って、民主党政権では現在インド洋で行っている給油活動はやめ、地域の安定と繁栄の為に日本は何が出来るのか、国際社会との連携をどう再構築するべきなのかを見出し、アメリカをはじめ他の国々と連携をしながら、日本としての貢献策、例えばアフガニスタン国内での航空自衛隊による輸送活動、或いは灌漑用水建設、警察の育成、医療活動といった民生活動を実施していくことも大切だと考えます。日本の現政権が米国政府と取り決めたことを見直すことは、日米関係を否定するものではありません。お互いの主体的な考えを出し合い、それを尊重しながら協力できることはしっかりと連携することこそが、今後の日米同盟関係では必要だと私は考えます。
安全保障上、日本が今、危機に見舞われるとすれば、主に3つのシナリオが考えられます。一つは北朝鮮によるミサイルの発射。二つ目は何らかの形のテロが起きること。そして三つめは島嶼侵攻などによる主権の侵害です。一昔前は、「仮想敵国」ソ連による大規模着上陸侵攻が想定されるシナリオでしたが、このシナリオの可能性は極めて低くなりました。
一つ目の北朝鮮によるミサイルですが、先般も北朝鮮はテポドン2のミサイル発射実験を試みました。衛星などはじめから打ち上げるつもりはなく、このミサイル発射実験は成功したという考え方も存在します。北朝鮮の意図は、アメリカの領土にまで届きうるミサイルを開発することによって、国威発揚や政権への求心力強化を狙ったのみならず、アメリカの薄れている北朝鮮への関心を今一度呼び起こし、米朝直接協議の再開を促したものと私は考えています。
日本は今、SM3、PAC3といったミサイル防衛システムを整備しつつありますが、ミサイル防衛網が出来上がったとしても、すべてのミサイルに対応できるかどうかは疑問です。最近、ある研究機関の報告によると、北朝鮮から日本の領土をほぼ射程に入れるノドンミサイルは200基から320基に増強されたと言われています。また、核開発によって5ないし8個の核弾頭も保有しているのではないかと推測されています。ミサイルと核弾頭が結び付いたシナリオは、日本にとって悪夢以外の何物でもありません。この悪夢が現実のものとならないよう、情報収集と粘り強い外交交渉、そして万が一の時のためのミサイル防衛網の整備とミサイル発射基地攻撃能力の保持が必要です。ただ、テロへの対応も含め、情報収集と当該基地攻撃能力は日本には限界があります。6者協議の再開は他国、特に議長国・中国に働きかけるなど、日米両国お互いが努力することとして、万が一のときの軍事的協力体制を常に確認しておくことが重要で、それが抑止にもつながります。また、日本はそのような事態に、ある程度独自で対応するために、情報収集能力の強化など不断の努力が求められます。
日本が領土という主権を脅かされるとすれば、それは尖閣諸島や沖ノ鳥島が最も想定されるケースです。尖閣諸島は日本が実効支配していますが、中国や台湾などは領有権を主張しており、近年、中国による通告無しの海洋調査や領海侵犯が頻発しています。日中両国では東シナ海のガス田開発に関して、共同開発することで合意しましたが、その後、具体的な協力内容には全く踏み込んでおらず、相変わらず中国独自の開発が続いています。
日本は、尖閣諸島や沖ノ鳥島、またそこから広がる排他的経済水域を日本の主権としてしっかり守っていかなければなりません。そのためには制空権、制海権をこれからも持ち続けることが必要です。
一方、中国は経済発展を背景にして、20年連続して軍事費は毎年10%以上の伸び率を確保し、この20年間で軍事費は約19倍に膨れ上がりました。また、実際には中国政府が公表している2倍から3倍の軍事費が使われているのではないかとの指摘もあります。日本はアメリカの協力を得て、量よりも質の面で優れた戦闘機や艦船、潜水艦などを順次、整備していく必要があります。ゲーツ国防長官は先般、F22の生産打ち切りを表明されました。日本はF4の後継機を選定中であり、アメリカのこのような動きに重大な関心を持っています。アメリカには同盟国として、F22生産打ち切りの見直しも含め、F4後継機の選定に強い支持と協力をしてもらいたいと思います。時代の流れは装備の共同開発・共同生産であり、日本は武器輸出3原則を見直し、特に第6世代の戦闘機の共同開発を今から日米両国で検討し、合意することも重要だと考えます。
中国の軍事力増強と不透明さは大きな懸念材料ですが、中国の平和的な発展は日米両国のみならず、世界にとって歓迎すべき事柄です。巨大な人口を抱える国の経済が急成長することによって、エネルギー確保や環境問題などで他国との摩擦を生じさせる可能性もありますが、ゼーリック元国務副長官が指摘したように、「責任あるステークホルダー」として中国が振舞うよう、日米中の連携を強めていくべきだと考えます。
オバマ大統領は4月5日、プラハにおいて核軍縮に関する演説を行いました。これに先立ち、アメリカとロシアは新たな戦略兵器削減条約(START)の締結に向けた交渉を始め、年末までの合意を目指していると言われています。オバマ大統領は、「更なる削減に向けたステージをセットするものだ」として他のすべての核保有国の参加を求める」と表明しています。これは非核保有国であり、唯一の被爆国である日本にとって、非常に歓迎すべき動きです。ただし、オバマ大統領も指摘しているように、この努力には他の核保有国の参加が不可欠です。アジアで言えば中国であり、中国の参加なしに、米露だけで核軍縮を進めた場合、米国が日本に差し伸べている拡大抑止(核の傘)の信頼性が揺るぎかねません。事実、既に一部で指摘されているように、米国による核抑止は日米同盟の根幹を成すものなので、取り扱いを間違うと、同盟そのものを揺るがす恐れもあります。深刻かつ重要な問題と捉えるべきでしょう.従って「核のない世界」を目指す核軍縮は、日本など非核保有国が不安を感じないような形で進めることが肝要です。それを怠ると、帰って「核の脅威」に対する不安を拡大し、地域を不安定化してしまうことになりかねません。日米両国間では、日本国民の核脅威認識も視野に入れ、地域さらには世界規模の核軍縮の内容と進め方について緊密な協議を進めることが必要です。米国にはそのような取り組み、配慮を求める一方で、日本としても、どうすれば中国も含めた包括的な核軍縮をスムーズに進めることが出来るかについて、具体的な知恵を出すことが求められます。
最後に、百年に一度といわれる経済危機に対応するため、日本とアメリカは様々な分野でより協力することが必要となるでしょう。保護主義の抑止に向けた協調、金融システム安定や財政・金融政策の協調など、世界第1位と第2位の経済大国が協力する意義は極めて大きいと思います。具体的には、アメリカの財政赤字のファイナンスとドル安定化に寄与する、カーターボンドに倣った外貨建て(円建て)債券の発行も検討の余地があると考えます。また、グリーンニューディールの柱として、日本が技術力を有する原子力発電所建設でも日米連携は大いにとりうると思います。冒頭申し上げたように、トータルパッケージの日米協力の再構築が必要です。安全保障だけではなく経済や環境分野など、さらに日米協力の幅を広げることが、世界の平和的な発展と地球の利益に叶う。そのような強い信念を持って、私も国政の中で努力していくことをお誓いし、スピーチを終らせていただきます。
ご静聴ありがとうございました。
日米同盟、今後の連携課題(2009.4.16 於ワシントンD.C. シーパワーダイアログ講演録)
皆さん、今晩は。民主党・衆議院議員の前原誠司です。今日は錚々たる皆様方の前でお話が出来ることを大変、光栄に存じます。また、この会議にご招待いただいたパシフィックフォーラムCSIS、海洋研究財団の皆様に心より御礼申し上げます。
日本では一昨年7月に参議院選挙がありました。その選挙で民主党は大躍進し、与野党の勢力は逆転しました。そして、遅くともこの9月までには衆議院の解散・総選挙があります。この選挙で必ず勝利し、政権交代を実現し、日本にも政権交代可能な2大政党政治を定着させたいと考えております。
しかし、仮に民主党が政権を担おうとも、日米関係が日本外交の基軸であるというスタンスが変わるものではありません。むしろ、安全保障の分野だけではなく、環境・省エネ、金融・経済などといった様々な分野でも、更なる協力関係の深化が求められると考えます。今こそ、安全保障だけではない、様々な分野におけるトータルパッケージの日米協力を再構築しなければなりません。
私は先月、インドネシア、ベトナム、シンガポールの3カ国を訪れました。昨年秋以降の経済危機の影響を調べることが主目的でしたが、私がお会いをした国の首脳が、日米安保の重要性を指摘していたのは印象的でした。これから世界の成長センターはアジアである。そのためにはアジア・太平洋地域の安定は不可欠であり、アメリカのプレゼンスは安定、発展のための公共財である。従って、その架け橋になっている日米安保は重要だという考えです。私も全くその通りだと考えます。日本の安全保障のみならず、アジア・太平洋地域の安定のために、今後も日米安保体制を堅持し、関係を強化していかなくてはなりません。
しかし、時代の変化と共に、周辺環境に十分配慮をしながら日米安保関係を絶えず見直していくことも重要です。例えば、13年前に合意したSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告書は未だに履行されていません。世界一危険だと言われる普天間飛行場の移設は、未だに実現していません。現在、日米両政府はキャンプシュワブへ移設するとの考え方を持っていますが、仮にこれが履行されても、普天間飛行場の返還は10年以上かかるでしょう。その間に、ヘリが市街地に墜落などして大きな犠牲が出れば、沖縄に集中している米軍基地の存続が根本から揺らぎ、日米安保体制そのものが問われることになります。そのリスクを回避するためにも、日米両国で海兵隊の司令部や部隊、演習場のあり方を見直すなどして、一から青写真を作り直すべきだと私は考えます。
また、アフガニスタンやパキスタン、イラクなどの国家の安定は極めて重要だと考えますが、テロとの戦いを現在のように進めていって、本当にこれらの国に平和と安定が訪れるかを、今一度世界全体で考え直す必要があると考えます。このような視点に立って、民主党政権では現在インド洋で行っている給油活動はやめ、地域の安定と繁栄の為に日本は何が出来るのか、国際社会との連携をどう再構築するべきなのかを見出し、アメリカをはじめ他の国々と連携をしながら、日本としての貢献策、例えばアフガニスタン国内での航空自衛隊による輸送活動、或いは灌漑用水建設、警察の育成、医療活動といった民生活動を実施していくことも大切だと考えます。日本の現政権が米国政府と取り決めたことを見直すことは、日米関係を否定するものではありません。お互いの主体的な考えを出し合い、それを尊重しながら協力できることはしっかりと連携することこそが、今後の日米同盟関係では必要だと私は考えます。
安全保障上、日本が今、危機に見舞われるとすれば、主に3つのシナリオが考えられます。一つは北朝鮮によるミサイルの発射。二つ目は何らかの形のテロが起きること。そして三つめは島嶼侵攻などによる主権の侵害です。一昔前は、「仮想敵国」ソ連による大規模着上陸侵攻が想定されるシナリオでしたが、このシナリオの可能性は極めて低くなりました。
一つ目の北朝鮮によるミサイルですが、先般も北朝鮮はテポドン2のミサイル発射実験を試みました。衛星などはじめから打ち上げるつもりはなく、このミサイル発射実験は成功したという考え方も存在します。北朝鮮の意図は、アメリカの領土にまで届きうるミサイルを開発することによって、国威発揚や政権への求心力強化を狙ったのみならず、アメリカの薄れている北朝鮮への関心を今一度呼び起こし、米朝直接協議の再開を促したものと私は考えています。
日本は今、SM3、PAC3といったミサイル防衛システムを整備しつつありますが、ミサイル防衛網が出来上がったとしても、すべてのミサイルに対応できるかどうかは疑問です。最近、ある研究機関の報告によると、北朝鮮から日本の領土をほぼ射程に入れるノドンミサイルは200基から320基に増強されたと言われています。また、核開発によって5ないし8個の核弾頭も保有しているのではないかと推測されています。ミサイルと核弾頭が結び付いたシナリオは、日本にとって悪夢以外の何物でもありません。この悪夢が現実のものとならないよう、情報収集と粘り強い外交交渉、そして万が一の時のためのミサイル防衛網の整備とミサイル発射基地攻撃能力の保持が必要です。ただ、テロへの対応も含め、情報収集と当該基地攻撃能力は日本には限界があります。6者協議の再開は他国、特に議長国・中国に働きかけるなど、日米両国お互いが努力することとして、万が一のときの軍事的協力体制を常に確認しておくことが重要で、それが抑止にもつながります。また、日本はそのような事態に、ある程度独自で対応するために、情報収集能力の強化など不断の努力が求められます。
日本が領土という主権を脅かされるとすれば、それは尖閣諸島や沖ノ鳥島が最も想定されるケースです。尖閣諸島は日本が実効支配していますが、中国や台湾などは領有権を主張しており、近年、中国による通告無しの海洋調査や領海侵犯が頻発しています。日中両国では東シナ海のガス田開発に関して、共同開発することで合意しましたが、その後、具体的な協力内容には全く踏み込んでおらず、相変わらず中国独自の開発が続いています。
日本は、尖閣諸島や沖ノ鳥島、またそこから広がる排他的経済水域を日本の主権としてしっかり守っていかなければなりません。そのためには制空権、制海権をこれからも持ち続けることが必要です。
一方、中国は経済発展を背景にして、20年連続して軍事費は毎年10%以上の伸び率を確保し、この20年間で軍事費は約19倍に膨れ上がりました。また、実際には中国政府が公表している2倍から3倍の軍事費が使われているのではないかとの指摘もあります。日本はアメリカの協力を得て、量よりも質の面で優れた戦闘機や艦船、潜水艦などを順次、整備していく必要があります。ゲーツ国防長官は先般、F22の生産打ち切りを表明されました。日本はF4の後継機を選定中であり、アメリカのこのような動きに重大な関心を持っています。アメリカには同盟国として、F22生産打ち切りの見直しも含め、F4後継機の選定に強い支持と協力をしてもらいたいと思います。時代の流れは装備の共同開発・共同生産であり、日本は武器輸出3原則を見直し、特に第6世代の戦闘機の共同開発を今から日米両国で検討し、合意することも重要だと考えます。
中国の軍事力増強と不透明さは大きな懸念材料ですが、中国の平和的な発展は日米両国のみならず、世界にとって歓迎すべき事柄です。巨大な人口を抱える国の経済が急成長することによって、エネルギー確保や環境問題などで他国との摩擦を生じさせる可能性もありますが、ゼーリック元国務副長官が指摘したように、「責任あるステークホルダー」として中国が振舞うよう、日米中の連携を強めていくべきだと考えます。
オバマ大統領は4月5日、プラハにおいて核軍縮に関する演説を行いました。これに先立ち、アメリカとロシアは新たな戦略兵器削減条約(START)の締結に向けた交渉を始め、年末までの合意を目指していると言われています。オバマ大統領は、「更なる削減に向けたステージをセットするものだ」として他のすべての核保有国の参加を求める」と表明しています。これは非核保有国であり、唯一の被爆国である日本にとって、非常に歓迎すべき動きです。ただし、オバマ大統領も指摘しているように、この努力には他の核保有国の参加が不可欠です。アジアで言えば中国であり、中国の参加なしに、米露だけで核軍縮を進めた場合、米国が日本に差し伸べている拡大抑止(核の傘)の信頼性が揺るぎかねません。事実、既に一部で指摘されているように、米国による核抑止は日米同盟の根幹を成すものなので、取り扱いを間違うと、同盟そのものを揺るがす恐れもあります。深刻かつ重要な問題と捉えるべきでしょう.従って「核のない世界」を目指す核軍縮は、日本など非核保有国が不安を感じないような形で進めることが肝要です。それを怠ると、帰って「核の脅威」に対する不安を拡大し、地域を不安定化してしまうことになりかねません。日米両国間では、日本国民の核脅威認識も視野に入れ、地域さらには世界規模の核軍縮の内容と進め方について緊密な協議を進めることが必要です。米国にはそのような取り組み、配慮を求める一方で、日本としても、どうすれば中国も含めた包括的な核軍縮をスムーズに進めることが出来るかについて、具体的な知恵を出すことが求められます。
最後に、百年に一度といわれる経済危機に対応するため、日本とアメリカは様々な分野でより協力することが必要となるでしょう。保護主義の抑止に向けた協調、金融システム安定や財政・金融政策の協調など、世界第1位と第2位の経済大国が協力する意義は極めて大きいと思います。具体的には、アメリカの財政赤字のファイナンスとドル安定化に寄与する、カーターボンドに倣った外貨建て(円建て)債券の発行も検討の余地があると考えます。また、グリーンニューディールの柱として、日本が技術力を有する原子力発電所建設でも日米連携は大いにとりうると思います。冒頭申し上げたように、トータルパッケージの日米協力の再構築が必要です。安全保障だけではなく経済や環境分野など、さらに日米協力の幅を広げることが、世界の平和的な発展と地球の利益に叶う。そのような強い信念を持って、私も国政の中で努力していくことをお誓いし、スピーチを終らせていただきます。
ご静聴ありがとうございました。

















